世界43カ国で上演のミュージカルを映画化
文豪ヴィクトル・ユゴーの同名の小説を元にしたミュージカル『レ・ミゼラブル』。ロンドンのウエストエンドで27年のロングランを続けていて、世界43カ国で上演。日本版も東宝が87年より帝国劇場で上演されている馴染み深い作品。私の周りにも、この映画版公開にあたって「中学生のときに観た、アレね!」という人も多く、“レミゼ”の浸透ぶりを実感。
改めて語る必要もないほどの有名な物語だが、一応、おさらししておくと……。
貧しさ故、パンを盗んだ罪で19年間投獄されたジャン・バルジャンは、仮釈放中に、世間の冷たい風にさらされ心がすさみ、出来心から教会から銀の燭台を盗んでしまう。だが、捕らえられたジャン・バルジャンを司祭は、「燭台は私が与えたもの」とかばう。司祭の深い慈悲の心に感銘を受けたバルジャンは、改心し、名前を変えて真摯に生きる決心をする。数年後、事業を成功させ市長となったバルジャンだが、そんな彼を警部のジャベールは執拗に追う。物語は、ふたりの男の追跡劇を軸に、薄幸の娼婦フォンテーヌとの約束を守り、彼女の娘コゼットとその恋人を守ろうとするバルジャンの献身的な生き様が描かれる。
自己犠牲という道徳的なメッセージだけでなく、純愛アリ、逃亡劇アリ、革命アリとエンタテインメント性も抜群だ。
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『レ・ミゼラブル』(Les Miserables)
監督/トム・フーパー
出演/ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・サイフリッド
配給/東宝東和
公式サイト/http://www.lesmiserables-movie.jp/
2012年12月21日(金)~、TOHOシネマズ 日劇他、全国ロードショー!
text : Atsuko Tatsuta
(C)Universal Pictures