油を使わない驚愕のスパイス使いにカレーのイメージが一新
スリランカ家庭料理レストラン「すらさ」/SURASA
「カレーには油を一切入れていませんよ」シェフであるスリランカ出身のスサンタさんの言葉に度肝を抜かれた。えっ、スパイスを炒めるのに油を使わない?では玉ねぎは?! 様々な疑問が頭をよぎったが、ふんわりと立ちのぼる香辛料の香りに誘われるように味わえば、“確かにカレーだ! ”そんな言葉が洩れる。スリランカは南インドの東南に浮かぶ小さな島。スリランカのカレーは、サラサラとしたスープ状が主流だ。ココナッツミルクも多く用いられ、主にひとつのカレーにひとつの食材しか加えず、食材によってスパイスを調合。素材の味を存分に引き出すことに徹している。ここ「すらさ」でも、豆、冬瓜カレーなど、どれもスパイス使いが異なるので、あれもこれもと試したくなる。スリランカ流にご飯に好みのカレーを数種類混ぜれば、混沌とした旨味と甘味が優しく味蕾を包み込む。が、侮るなかれ! 時に鮮烈な辛さがわき上がり、スリランカはやはり暑くて体力を消耗する国なのだと実感する。すらさのカレーは家庭料理らしい素朴さにあふれていて、毎日でも食べたくなる味。値段も手頃で、お店のかたの温かいもてなしが心地よい、実に良心的な店だ。
SHOP INFORMATION
11:00~14:30(14:00 L.O.)
18:00~23:00(22:00 L.O.)
水曜(日曜はランチのみ営業)
photo : Kanoko Yasuoka, text : Wakako Sato