ぎっしりメニュー名が書かれたボードを見て、初心者は首をかしげ、“通”は大喜びするという。そこにはタイ料理店おなじみの「グリーンカレー」や「トムヤムクン」の文字はなく、珍しい果物や野菜の名、味の想像もつかない料理名が並ぶ。「昔、僕たちがタイに住んでいたときに食べていた料理が恋しくて」店と始めたのは、共同オーナーの赤木伸治さんと佐藤幸二さん。それぞれ人気のタイレストランとポルトガル料理店の店主でありながら、“今までなかったタイ料理の店”を自らのために作ってしまった。居心地のいい小さな空間で味わう、タイ伝統の発酵料理や地方料理は、魅力的なことこの上なしだ。