K：すべてHTMLで自由にサイトをデザインしていた2008年までの時代で、特に印象的だった記事はありますか？
 
T：「セレブのおしゃれ番付」とか、セレブの特集が多かったですよね。
 
K：ゲイに人気のセレブとか、セレブのお尻スナップとか、いろいろ面白い企画をやりましたね。
 
M：相手が海外セレブだからと、好き放題に作っていたわね。一般の人が作るまとめのような記事が当時は存在しなかったから、あのころエルという媒体であれだけのセレブ情報が閲覧できたのには、大きな価値があった。
 
T：ヒラリー・クリントンの着せ替えゲームも作りました。もしもヒラリー・クリントンが起業家だったら？という設定で彼女のワードローブを作って、ユーザーがドラッグして着せ替えできるコンテンツでした。服に合わせてヒラリーの身体を削ったりしたのを覚えています（笑）。
 
M：ほかにもモデルのイリナとケイトなど、4人のセレブがそれぞれこんな仕事をしていたら？という設定で、彼女たちのクローゼットをイラストで描いていた。
 
T：原稿を書いてイラストを発注して、すべて手作業でデザインして、ひとつの編集企画にとにかく手間暇をかけて作っていましたね。
 
M：当時の私たちは、とにかく面白くしようと思って作っていたからよかったんだと思います。そこがほかのIT系女性サイトの効率主義とは違っていたんじゃないかな。
 
T：「パリのクリスマス中継」という企画も楽しかったですよね。12月になるとアドベントカレンダー形式で、クリスマスムードに包まれたパリの風景を毎日紹介していましたっけ。パリの街並みの音まで流していたし、今思うと素敵な企画だったな……。