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左:マイウェイでヒップホップ道を貫く、リタ・オラ。右:現在を代表するおしゃれヒップホップリーダー、カニエ・ウェスト。

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「一番ダサい人と同じ格好をする勇気がお前にあるのか!?」 文脈によって何でもアリな現代

― 2013年現在のヒップホップファッションは、'90sからどう変化した?
 
俺は90年代で1回止まったと思ってるんですよね。ダボダボ、野球帽、スニーカー、要はみなさんがイメージするまんまのヒップホップファッションです。今もトレンドと関係なく、ずーーーっとその格好をしている人もいる。それとは別に、カニエ・ウェストとかヒップホップシーンの中のおしゃれさんも出てはきましたが。なんですかね、昔と違って、今はみんなが同じ格好をしているっていうのがなくなった。わかってやっていればアリというか。文脈による。ダサい格好というのがなくなっちゃった。
 
シルエットやちょっとしたディテールの差で、わかっている人とわかっていない人の差が微妙に出る。差異のゲームが極度に複雑化しているから、一番イケてる人と一番イケてない人が全く同じような格好をしている、ということもあり得る。
  

― 人気セレブ、リタ・オラはストレートなヒップホップファッションを頻繁に着ています。
 
(リタ・オラの私服スナップを見て)これはけっこう無茶してるな~。でかいホッケーシャツ、スウェット上下にパンプスを合わせる。完全に昔のヤンキーですよね。すげえなぁ。
 
これは本当に上級中の上級っていうか。当時のヒップホップの感じをちゃんと知った上で、ダサめなのは百も承知でやってるってことですよね。こういう格好をするのはすごく勇気がいる。「一番ダサい人と同じ格好をする勇気がお前にあるのか!?」ってことだから。でも、こういう格好している人は「私がダサいわけないわけだからぁ~」と。フフフ…。先行く人は、普通の人が「だせえ」ってものをやるもんじゃない? まあ、ファッションは常にちょっと前の一番ナシがその次の一番イケてるになるもんだから。逆に、逆に、のサイクルで進歩していくものですもんね。
  

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「カルチャー考からイバりアイテムまで。急上昇トレンド“90年代ヒップホップ”を徹底マスター」トップへ
  • PROFILE/宇多丸

    ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー。日本にヒップホップというカルチャーが定着していなかった80年代後期にラップをはじめ、1989年にマミーDとライムスターを結成。ライブ活動を中心に支持を集め、1993年にインディーズ・デビュー。2001年のメジャー移籍など、着実にキャリアを積み重ねて2007年3月には日本武道館での単独ライブで大成功を収めるも、これを最後に一旦グループ活動を休止した。2009年10月に活動を再開し、ここからさらに毎年リリースするアルバムのすべてがTOP10ヒットとなるなど快進撃を続ける。近作は2013年1月の9thアルバム『ダーティーサイエンス』。
    最近ではラジオ・パーソナリティ、文筆家としても活躍。幅広い知識に裏打ちされたエンターテイメント性に富む語り口で人気を博す。レギュラー番組にTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」、TOKYO MXテレビ「5時に夢中!サタデー」など。2009年「ギャラクシー賞」DJパーソナリティ部門を受賞。
    http://www.rhymester.jp

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