インタビュー 2014/4/22(火)

ファレル・ウィリアムスが新作『G I R L』に込めた“女性への賛歌”

シングル「ハッピー」が全米チャートで8週連続1位を更新中、グラミー賞では最優秀プロデューサー賞を受賞し、ユニクロ「UT」とのコラボレーションもスタート。全方位でその勢いが止まらないスーパーアーティスト、ファレル・ウィリアムスのソロ名義では8年ぶりとなる最新作『G I R L』日本盤がいよいよ発売! アルバムに込めた“女性への思い”をファレルがたっぷり語るインタビューをお届け!

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グラミー賞でのダフト・パンクとファレル(写真上)、アカデミー賞のパフォーマンスではルピタ・ニョンゴとダンスを披露(写真下) photo : WireImage, AP/AFLO

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「今の社会は女性が正当な扱いを受けていない」

―アルバム・タイトルはすぐに『G I R L』と思いついたそうですね。なぜ“Woman”でも“Lady”でもなく“Girl”なんでしょう?
 
「それはつまり……、このアルバムでは音楽を通じて、女性が俺に及ぼす磁力、俺と女性たちとの密接な関係を表現したいと思っていて、しかも、あらゆる方位を網羅してそれを表現しているんだ。ほら、俺は例えば“汗”という言葉を連発したり、“彼女の曲線”とか“彼女のボディ”とかいった類の表現も使うし、女性と俺がいちゃついてるような軽いやりとりも、歌詞には出てくる。それは事実だし、すでによく知られていることだよね。
 
でもその一方で、全く別の面もあるんだ。今の社会は完全にバランスを失っている。だから『G  I  R  L』と名付けることにしたんだ。大文字で、文字と文字の間にスペースを空けて。人によってはヘンに見えるかもしれないからね。『あれ、なんだかこれ、ヘンだなあ。いったいどういう意味があるのか考えてみるべきなのかもね』と思ってほしいんだ。そしてひいては、何らかの議論の場を提供できたらいいなと思っている。俺は、この世の中で注目されるべきものに貢献しようとしている。それは、この社会における女性の平等化なんだ。
 
今俺たちが生きている世界は、残念ながら女性が正当な扱いを受けていない社会だ。この状況は必死になって変えなければならない。まず、俺のメッセージはパーフェクトなものではないと最初に言っておくよ。いろんな意味でね。その理由のひとつは、俺が男だということだ。男の俺に何がわかる? 
 
俺がまずわかっているのは、女性は男性と同じくらい給料を払われなければならないということ。2つ目は、女性は毎月我慢しなければならないことがある(※生理のこと)。年齢にもよるのかもしれないけど、その辛さは俺たち男には一生わからない。それでも女性は仕事に来て、男性と同じくらい頑張って働いている。問題解決もしてくれる。そういうことは認識されてしかるべきだと思うんだ。
 
3つ目は、一部の地域では、女性のための法律の制度化が宙に浮いている。そういうところでは、女性が自分の身体の扱い方を勝手に決められてしまうんだ。いつ、いかにして、どういう理由で、彼女たちが子供を産むべきか、もしくは産むべきではないかといったようなことを、指図して押し付けようとしている。法を作る奴らが、女性の身体の扱い方を勝手に決めてしまうというのは、俺には全く理解できない。
 
エレン・デジェネレスは今、女性司会の第一人者だけど、世の中にはエレン的な人がもっと必要なんだ。同性愛者でも異性愛者でもいい。女性がもっと必要なんだ。さらに一歩進んだ想像をしてみよう。世界のリーダー、大統領や首相の75%が女性である世界。そうなったら全然違う世界になると思わないかい? でもいつかはそういう時代がやってくる」
 
―ところでこの4月、日本でも「UT」とのコラボレーションラインが発売されたばかりです。公の場に登場するときは、パフォーマンスと共にファッションも注目を集めますよね。様々なブランドともコラボをしているあなたにとって、ファッションで一番大事なポイントとは?
 
「ファッションは俺にとって、ほかにも多数あるなかの、アートの分野かつ手法のひとつだ。自分自身を表現するための、もうひとつのモードだね。俺たちは例えば、指紋ひとつでも自分を表現できる。文字をタイプすることやジャーナリズムを通じて自己表現することもできる。サングラスをデザインすることで自己表現することもできる。俺たちがこの世界に生まれてきた本質的な意味合いは、自分を表現することにあるんだよ。だからファッションも、俺が自分を表現する手段のひとつなんだ。でも、注目されるからといって得意になったりはしないし、今の俺はエゴを完全に排除している。自分が何かを学び取れる相手としか、コラボレーションはしない。学ぶことにしか興味がないんだ」
 
―ありがとうございました。アルバムが最高の結果をもたらすことを願っています。また日本にいらしてくださいね。
 
「日本には今すぐにでも行きたいよ。俺のホームだからね!」

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