インタビュー
2016/03/02(水)
『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』公開!

世界最高齢のファッションアイコン、アイリス・アプフェルが語る“スタイル哲学”

94歳のファッションアイコンにして現役のビジネスウーマン、アイリス・アプフェルのドキュメンタリー映画『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』がいよいよ3月5日(土)に日本公開。NYで敢行された貴重なインタビューで、アイリス流のスタイル哲学や人生観、夫婦愛についてたっぷり語ってくれた。

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1948年、広告会社エグゼクティブだったカールと出会い、結婚。夫妻は仕事のために世界中を飛び回り、貴重なテキスタイルデザインを見つけては特殊な技術で再現、修復作業に貢献した。

「添い遂げられた理由は、ユーモアのセンス」

―20代でカールさんと結婚されてから、昨年亡くなるまで添い遂げられていますが、長続きした理由はなんだと思いますか?
もちろん最低限の価値観の一致や同レベルの知性があることは前提条件だけれども、私たちが添い遂げられた最大の理由はユーモアのセンス。だって夫婦の諍いの理由なんて、大半はバカバカしいことだから。私たちだってケンカをすることはあったけれど、最後にはそのバカさ加減に二人とも笑い出して終わっていた。そして、忍耐と、相手にスペースを与えること。自分自身のスペースはとても重要。それぞれがしたいことをする余裕を与えることも。例えば私は夫の好きなフットボールを見るのは耐えられなかった。別々に過ごす時間を恐れないことはとても大切。

夫のカールは2015年、101歳の誕生日を目前にうっ血性心不全で亡くなった。

―映画に出てよかったと思いますか?
最初は映画に出るなんて、と思って断っていた。私生活を見せることに抵抗があったし、誰かが私の人生に興味をもつとも思えなかった。映画に出たら、夫のカールと家で過ごす時間が減ってしまうことも心配だった。幸いなことにアルバート・メイズルス監督はしつこかったから、ついに撮影チームに会って、みんなのことを好きになった。
 
映画を観た人に「あなたのおかげで人生が変わりました」と言われることがある。「私に人生を変えられるなんてかわいそう」と思ってた。けれど最近、「あなたのおかげで人と同じように考える必要はないことが理解できた」と言われて、私もひとつの使命を達成できたかもしれないと思ったわ。
 
【アイリスの格言集 その3】
「子どもは望まなかった。すべてを手に入れるのは無理だとわかっていたから、キャリアと旅行を選んだ。すべては手に入らない。あきらめることも必要なの」
「人生なんて陰鬱で退屈なもの。でもドレスアップしたときには少しだけ楽しみもあるのが人生」
「時間をかけて人生を歩めば、最後は自分のものになるわ」

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text : Yumiko Sakuma

  • 『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』
    94歳のファッションアイコンにして現役のビジネスウーマン、アイリス・アプフェルの素顔に迫るドキュメンタリー。1950年代からデザイナーとして活躍し、夫と設立したテキスタイル会社が大成功。歴代大統領からホワイトハウスの装飾を任されるなどの輝かしいキャリアを誇る一方で、ファッションアイコンとしてNYカルチャーシーンに影響を与え続けているアイリス。アレキサンダー・ワン、ドリス・ヴァン・ノッテンといったデザイナーやセレブを魅了し、人々に愛され続けるアイリスの生き方とは?
     
    監督/アルバート・メイズルス
    出演/アイリス・アプフェル
    配給/KADOKAWA
    公式サイト/http://irisapfel-movie.jp/
    2015年3月5日(土)~、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
     
    (c)IRIS APFEL FILM, LLC.

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