【第一回】イベント飽和時代!? それでも2017年必ず押さえるべき海外フェス5
2017/04/07(金)
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アメリカ、カルフォルニア州の砂漠地帯で行なわれるコーチャラ・フェスティバルのメインステージ

アメリカのフェスは“参加型”、日本のフェスは“参戦型”

夏のレジャーやレクリエーションのひとつの選択として音楽フェスがある……今、こんな風に考えている方はどのくらいいるでしょう。いや、むしろ夏フェスというのは限られた音楽ナードの集いで、自分たちのライフスタイルとは無関係。もしかすると、そう感じている方もいるかもしれません。欧米だと、夏フェスは良くも悪くもよりカジュアルな夏のレジャーのひとつ。しかし、なぜ、日本ではそうなっていないのか?

グラミー賞受賞アーティストのチャンス・ザ・ラッパーとケンドリック・ラマ―も来日公演の経験はなし

出演アーティストのラインナップとの関係から言うと、考えられる理由はふたつ。ひとつは日本の夏フェス文化の基礎を作った2大代表イベント、フジロックとサマーソニックの双方が、ここ数年、集客のために90年代や一昔前から日本で認知と人気、集客のあるアーティストをまず最初にブッキングする傾向になったため、今の時代を象徴する海外アーティストが出演する割合がかなり減っているから。実際、ここ5年の主流であるポップやR&B、ヒップホップのアクトは今年の日本のフェスのラインナップにはあまり見当たりません。新世代のインディロックも決して多くはない。その結果、年季の入ったオールドロックファンの集いという様相を呈するように。

コーチェラ2016でオーディエンスと交じって音楽を楽しむケンダル・ジェンナー

もうひとつの理由は前述の2つのイベント以外、全国各地の夏フェスの出演者はほとんど邦楽アーティストのみ。これが日本独特のフェス文化を担うようになったから。ただ、世界的にもありとあらゆる文化が内向きになったと言われる今の時代にあっても、これはかなり珍しい。良い悪いは別にして、“参戦”すると表現するくらいですから、もはやレジャーというよりは試合。だからこそ、ここは自分の場所じゃないと感じる人がいてもおかしくはない。例えば、僕がそうです。

Text: Soichiro Tanaka Photo: Aflo, Getty

  • 田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka

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