特集
2015/11/29(日)
FROM ELLE WORLD

UK発のトランスジェンダー・コラムニスト、ライアノン・スタイルズの告白

今年6月、世界中で大反響を呼んだケイトリン・ジェンナー(旧名ブルース・ジェンナー)の『ヴァニティ・フェア』誌7月号のカバー。元オリンピック選手の、自身のジェンダーに関する告白に衝撃を受け、勇気づけられた人も多いはず。UK版エルでは今秋からトランスジェンダーに関する連載コラムをスタート。元ドラァグクイーンのパフォーマーとして活躍し、30歳で女性として生きることを決意したトランスジェンダー、ライアノン・スタイルズによるそのコラムは大きな話題を呼んでいる。ライアノン自身の経験を踏まえ、本当の意味での“トランスジェンダー元年”ともいえる2015年について総括した。 

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波紋を呼んだ、ウィル・ヤング「ブレイブ・マン」のミュージックビデオ。自身もゲイであることをカミングアウトしており、同じLGBTコミュニティにいる立場として制作に踏み切ったことが伺える。

ウィル・ヤングのPVが私たちに示したものとは?

今年はさらに、BBC2のシットコム「ボーイ・ミーツ・ガール」でトランスの女優、レベッカ・ルートがトランスジェンダーの役柄で登場したり、熟年の父親の性転換を扱ったアメリカのコメディドラマ「トランスパレント」が3シーズン目に突入、歴史上初めて性適合手術を受けた人物とされる画家リリー・エルベをエディ・レッドメインが演じた映画『リリーのすべて』が公開間近など、すばらしい話題が続いている。
 
でも、トランスの男性たちについては? 最初に触れたウィル・ヤングのビデオはしばしば陰の薄い、トランス・コミュニティーのもう片方に光を当てている。ウィル・ヤングはこのPVについて「自らを救うために立ち上がった人々があらわになる瞬間を描いた」と語ってくれた。作中ではトランス・コミュニティーにいる多くの人々が経験する、孤独や偏見といった凍り付くように恐ろしいリアルな描写がある一方で、私たちの強靭さ、パワー、すなわち誰もが本当の自分になるために必要な強さが巧みに表現されている。
 
ウィル・ヤングはこのビデオを作る過程でトランスジェンダーの人々がただ間違った殻に入って生まれてきてしまっただけであり、まごうことなく、最終的に転換する性そのものであるということを学んだそう。「私たちの体は容れ物であり車のようなものさ。そしてトランスジェンダーの人々は今まさに、それに乗って新たな未来へと向かおうとしているんだ」

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Translation & Text: Naoko Ogata

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