特集 2017/1/27(金)
早耳調査隊が行く

「ウィメンズ・マーチ」の傍らで開催されたフェミニズムなアート展

世界各国で開催された「ウィメンズ・マーチ」。大規模に実施され、スターたちも多く参加したロンドンで、それに先立って開催された写真展が話題に。その名は『1970年代のアバンギャルド・フェミニスト』展。そのなかからアーティスティックに、美しく表現された、4人のアーティストによる“フェミニズム”の姿をご紹介。

Lynn Hershman Leeson
Roberta Construction Chart #1, 1975
©Lynn Hershman Leeson / The SAMMLUNG VERBUND Collection, Vienna

リン・ハーシュマン・リーソン LYNN HERSHMAN LEESON

アーティスト兼フィルム・メーカーである、リン・ハーシュマン・リーソンもフィクションのキャラクターを通して、当時の社会における問題に挑んだ女性のひとり。1974−1978年に『Roberta Breitmore』という架空の女性を題材に多くの作品を発表した。ロベルタはフィクションの人物でありながら、運転免許書やクレジット・カードなどを持つという細かい人物像の設定がされ、アートと現実の区別がつかないキャラクターとして当時話題になった。

Renate Eisenegger
Hochhaus (Nr.1), 1974
©Renate Eisenegger /The SAMMLUNG VERBUND Collection, Vienna

レネート・アイゼンエッガー RENATE EISENEGGER

デュッセルドルフのアート・スクールで勉強しているときに「アート界で女性が表舞台には立つチャンスがない」と憤りを感じていたドイツ人のレネート。ローマに引っ越した際に、自分の顔を白くペイントする技法によって、アーティストとしての自由を手に入れることが出来たという。『High-rise no1』という作品では自ら顔を白くぬり、感情のない女性がしゃがんだ体勢で、抑圧された空気を放つ高層ビルの床に、アイロンをかけるパフォーマンスを見せた。

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Text : Kiyoko Matsushita

  • The Photographers’ Gallery at 16-18 Ramillies Street, 2012
    ©Kate Elliott
    Courtesy of The Photographers’ Gallery

    ザ・フォトグラファーズ・ギャラリー The Photographers’ Gallery

    1971年に設立されたロンドンで最大級の写真を取り扱うギャラリー。「最新の若手作家」から「歴史的なアーカイブス」や「著名な写真家」まで、イギリス国内・国外のアーティストを問わず、幅広い写真が展示されている。オックスフォード・サーカス駅から歩いてすぐ、6階建てのレンガ創りの建物が目印。

    住所/16-18 Ramillies Street, London, W1F 7FW
    HP/ thephotographersgallery.org.uk

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