・カードの支払いよりも、まずは貯蓄
クレジットカードの支払いから始めたくなる気持ちはわかるけど、それは必ずしも最良の考えではない。作家で経営の専門家のホイットニー・ジョンソン曰く「もしあなたがFOFを始めたばかりなら、臨時収入があったとして、それを借金などの支払いにあてることは安易な考えです。直感的にそうしたくなることは分かります。しかし、たとえその月に高金利のクレジットカード負債があったとしても、まずは最初に自分の貯蓄にまわすべきです」。彼女は、自分の未来は後回しにしてはいけない、と言う。「それは何よりも優先させるべきものです」

 
・臨時の収入は全てFOFへ入れる
「マクファーソン・ストラテジーズ」を経営する成功した企業家、スーザン・マクファーソンは母親の悲しい死をきっかけに自分のFOFをスタートした。家族の喪失はとてもつらいものだったが、その時に得たお金で始めたFOFは彼女を後に救い出し、離婚を可能にし、その他の人生の困難に立ち向かわせてくれた。さまざまなつらい状況に対して無力になるのではなく、気丈にそのとき得たお金を貯めることが、マクファーソンにとって「その他の死別や離婚、失業、別れなど、人生における大きな試練をうまく乗り越える」手だてとなっている。

 
・FOFのお金は簡単に引き出せないようにしておく
話を聞いた多くの女性が口を揃えて言っていたのが、FOFのお金は自分の手の届かないところに保管するべき、ということだ。ベビー用品の口コミサイト「weeSpring」の共同創設者、アリソン・ダウニーは銀行口座を使って自分のFOFをスタートした。「ATMカードがない、簡単にお金を引き出す事ができない口座を用意して、昇給があるたびにそこに１ドルも余さず入金したの」。意思の力が弱いなら、ダウニーがやっていたように自動的に給料の一部を天引きする方法がおすすめだ。そして常識の範囲内で、頑張った自分にご褒美を与えよう。「自分にちょっとしたお祝いをすること（例えばセブンのデニムを買ったり、自分の親友たちをディナーに誘ったり）は許したわ。でも、それ以外は100％貯金よ」とダウニー。

 
・いままでの貯蓄をFOFへと移す
長年テクノロジー業界で活躍してきたタリア・ボロディンにとって、蓄えはアパートを買うための頭金を意味していた。しかし、やっぱり不動産の購入はしないと決めた彼女は、そのお金を使って１年半生活し、その間に世界旅行に出かけ、カナダに戻ってゼロからやり直し、「テック業界にいる年長の女性にとって日常的な、あまり好ましくない労働環境」に二度と戻らなくてもいいようにした。大切な事はFOFは貯めるときは貯めて、使うときは大胆になる、ということだ。

 
・生活にかかる諸経費を低く抑える
住居費や光熱費など生きていくだけで手元から失われていく諸々のお金。船や航空の運送サービスを最適化するベンチャー企業「Haven」で事業開発部長を務めるレネー・ディレスタは諸経費を低く抑える事はとても重要だという。「昔は節約のためにあまり魅力的じゃない界隈にルームメイトと一緒に住んでいたこともあったわ」
コメディアンで女優のサラ・シルバーマンも『Indiewire』での最近のインタビューのなかで、自分の選択肢を最大化させるために、常に１ベッドルームのアパートで簡素な暮らしをしていると語っている。「私は必要経費をとても低く抑えてるの。だって、そうすれば自分がやりたい事を気兼ねなくできるから」
 
まとめ
最近では貯金を手助けしてくれる教材やアプリも沢山存在する。例えば「Digit」は自動的に貯金をしてくれるオンラインサービスで、指定した銀行口座から毎週小額をランダムに引き出して、Digitの自分の口座へと振り込んでくれる。また、女性が運営する、女性をターゲットにしたファイナンスのサイト「Daily Worth」ではお金にまつわるトピックスが、今までになく活発に議論されている。貯金の目的を視覚化して、取り組みやすくしてくれるアプリ「Unsplurge」もおすすめだ。
そして、昔から存在するいちばんシンプルな方法、それは現金を使うこと。そうすれば、自分がいくら使っているか目に見えて分かる。手元に現金が無くなれば、それはそういうこと。ショッピングの際はクレジットカードは家に置いていこう。残高が増えていくのを見るのは楽しいもの。とりわけその貯金の目的が、無限の可能性に満ちた未来であるなら――。