特集 2017/1/9(月)

メリル・ストリープ、怒りのスピーチ全文公開。ゴールデングローブ会場が総立ち

第74回ゴールデングローブ賞。功労賞に当たるセシル・B・デミル賞を受賞した、大女優メリル・ストリープのスピーチに会場感涙。「溜りにたまった言いたいこと全部入れました」的な、今後のアメリカへの静かな怒りに満ちたメッセージの全文を公開。

ハリウッドにはアウトサイダーたちと外国人たちがそこらじゅうにいます。もし彼らを追い出そうとしたならば、フットボールと総合格闘技(マーシャルアーツ)の試合ぐらいしか見るものがなくなってしまうでしょう。残念ながらそれらは芸術(アーツ)ではありません。もう時間がないみたいなんですけど続けますね。俳優にとってただひとつの仕事とは、自分たちとは違う人々の人生を生き、それがどんな感じなのか見る人々に感じてもらう、それだけなのです。そして今年は、本当にその仕事をした、息をのむような力強いパフォーマンスが沢山生まれました。 
https://www.youtube.com/watch?v=PX9reO3QnUA
 
今年、あるひとつのパフォーマンスに私は呆然としました。そのパフォーマンスは私の心に沈み込み、とりついて離れませんでした。それが良かったからではありません。そのパフォーマンスに良かった点などひとつもありません。ですが、それは非常に効果的で、とくにこの仕事に対して影響を及ぼしました。そのパフォーマンスは意図的に観衆を歯を見せて笑わせるように作られていました。それはある人物が(何かの障害で)不自由なレポーターを擬き、特権や権力や地位において遥かに勝っているにもかかわらず、そうやって仕返しするような人物が、この国で最も尊敬されるべき椅子に座るように言われた瞬間です。それを見た瞬間、私の心の中で何か壊れたような気がしました。そのことは未だに私の頭から離れません。何故なら、それは映画の中でなく、現実世界で起こったことだからです。

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 そしてこの、人に屈辱を与えるという本能、それは公的な立場で非常に強大な力を持つ人物によって行使された時に、すべての人の人生に影響を及ぼします。なぜなら、それは権力者がそうすることによって、他のひとたちも同じ事をしてもいいという許可を与えるようなものだからです。人を軽視した、無礼なふるまいは同じことを招きます。暴力は暴力を招きます。もし権力者たちがその地位を使って弱いものいじめをするなら、私たちは皆負けるのです。

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これは報道関係の皆様にも言えることです。私たちには責任を持ってすべての非道な行為について譴責する、主義原則に基づいた報道機関が必要です。なぜなら報道の自由こそ、我々の建国者がこの国の憲法に鎮座させている原則のひとつだからです。ですから、私は有名で、富裕なハリウッド外国人記者協会、そして私たちのコミュニティの全員にジャーナリストを守るための委員会をサポートしすることに協力してくださるようお願いいたします。なぜならこれからの未来に向けて、それが必要になるからなのです。そして、彼らにとっても、真実を守るものとして、私たちを必要とするでしょうから。

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Text : Ryoko Tsukada

  • ※翻訳の一部を訂正し、動画を差し替えました(2017年1月10日、12日)

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