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「あまちゃんを婚活のツールに、恋愛の一歩を踏み出そう」

恋愛コラムニスト犬山紙子が語る“あま活”

エル・オンライン世代をもガッチリ巻き込んだ「あまちゃん」の大ブーム。編集部内でも、「あまちゃん」トークをキッカケに新たな男性と知り合ったり、話が弾んだり、という恋愛ミラクルが勃発しているよう!? そこで、リアルな男女の恋愛市場でこのブームをどう利用できるのか、コラムニスト犬山紙子さんにインタビュー。「あまちゃん」で婚活する“あま活”は果たしてアリなのか!?
 

会話の“取っ掛かり”になるツール

 

-多くの人が視聴したドラマだからこそ、お互いのことをまだよく知らない男女には、「『あまちゃん』観てた?」という会話がキッカケになる?
 
「あまちゃん」に限らず、共通の趣味を持つ男女って恋愛に発展したとき、長続きしやすいんです。たとえば、一つの本を題材にみんなで集まって感想を言い合うという、本好きが集まる「読書クラブ」なんかは、結婚率がすごく高いんだそう。最初から趣味が合う人たちの中から、さらに自分の異性としての好みの相手を見つけられるわけですからね。そういう趣味や共通の話題で盛り上がってから親密になるっていうのは、セフレとかではなく本命になりやすい。「あまちゃん」はひとつのドラマだから趣味とまでは言えないかもしれないけれど、少しそんな匂いもします。

 
相手の趣味もよく分からない段階では、「あまちゃん」面白かったよね、っていう共通の話題があるっていうのは強み。たぶん「あまちゃん」が一番語られるのって、SNS上ですよね。そこで前から気になっていた人があまちゃんの話題をしていたら、話しかけやすいですし。「あのシーンいいよね」とかって。「あまちゃん」は頑張ってる女の子、ひたむきな女の子を追いかけてるドラマだったので、あのドラマを好きって話すこと自体が、相手に好感度というか、さわやかでいいイメージを与えてくれる。今までは、女性がドラマの話で盛り上がりたくても、たとえば月9ドラマの話をしちゃうと、男性から「スイーツwww」ってバカにされやすい、っていうのがあったと思うんですよ。それはそれで、ドラマというだけで見下してる男性なんかしょうもないと思いますが。でも、「あまちゃん」ならそうはならない。いやらしくなく、男女で話ができるんです。

 
 
こんな「あまちゃん」語りには要注意!
 
―「あまちゃん」をどう観てたかで、男性のタイプを探ることはできる?

 

好きな音楽にその人のパーソナリティが出てくるという感じで、その程度の判断材料にはなるかな。ただ、ユイちゃん好き=腹黒好き、とかって明確にカテゴライズはできない。相手に「可愛い系とキレイ系どっちがタイプ?」だと聞きづらいけど、あくまで参考にする程度に、「アキちゃん派?ユイちゃん派?」っていう会話なら楽しめますよね。聞かれてもないのに斜に構えて、「オレ見てないんだけど」アピールする男は面倒くさい。世間で流行ってるものをあえて認めない俺、みたいな感じで。あまりにも周りがあまちゃんの話ばかりでウンザリして、って理由とかがあるならわかりますが……。もちろん、「観ない」「好きじゃないと思う」ことに問題はまったくありません。それを「自分はマイノリティだ」というアピールに使ってるのがどうかと。マイノリティアピール自体、カテゴライズできるぐらいのたくさんの人がいるので、マイノリティでもなんでもないんですけどね。そういうとこでしか自分を表現しない男ってしょうもないですし。そういう人は仕事でも活躍しなさそう。

 

そして、SNS上で放送後にすぐ感想を語ってる人が多かったですよね。SNS上で気をつけたいのが、“ネタバレ”しちゃうこと。その日の朝見て、すぐに感想書き込む男ってどうなの? と思いましたね。録画や夜の放送を楽しみにしてる層もいるんだから、そこはちょっと遠慮しようよ、と。見終わってすぐ何か言いたい気持ちも分かるんだけど、多くの人が観てるドラマなんだから、もしどうしても書きたいなら、頭に【ネタバレ】って書くのがマナー。そういうところで相手のネットリテラシーも計れますね。今、本当にネットリテラシーって小学校で習っておくべきじゃないの?ってくらい大事なことですから。平気でネタバレしちゃう男は、FBのタグ付けとかで浮気が発覚する、ツメの甘いタイプです!
 
相手がどういうスタンスで「あまちゃん」を観ていたか、っていうところも合う合わないがありそうですね。「あまちゃん」はストーリー、テーマ、キャラクター、小ネタ、音楽と、楽しめるところがいっぱいのドラマ。そんななか、相手がどこを楽しんでいるのかを見ると、その人がどんな人かもちょっと見えてくるんですよね。クドカンの細かい小ネタに食いついてたらきっとサブカル方面詳しいんだろうなあとか、大友良英さんの音楽に食いついてたら音楽好きなのかなとか、ストーリー予想なんかしてる男性は自己主張激しいタイプなのかなとか……。ただ、そのなかでもやっかいだなあと思うのが「アキちゃんは処女に決まってる!」と盛り上がってる男性。アキちゃんが処女かどうかは「男ができると潜るのが上手くなる」という発言があったことからも盛り上がるひとつのテーマかとは思います。でも、熱心に「アキちゃんが処女じゃないと」……ってことばかり言ってるのを見ると、女を神格化するタイプか……と思っちゃいますね。主人公のアキちゃんはピュアですごくいい子なんだけど、あくまでもドラマに出てくる架空の人物。そういう、アキちゃん推しが高じて女に処女性とかピュアな部分を求めてくる男は、アラサー女性が付き合うには向いてないし、あっちもそもそもアラサー女性に興味がないことが多い。そういうタイプは、夜、セックスのときにちょっとした小ワザを使うだけでも幻滅してきたり、女性のファッションもちょっと露出が多かったり、派手だったりすると口出ししてくるという話もよく聞きますね。ユイちゃんも、もちろん美少女なんだけど、嫉妬心がちゃんと描かれてたり、一回ヤンキーになったりもするし、そこを含めて「ユイちゃん推し」って言える男性は逆に好感度が高いんですよね。昔何があったかとか、そういう事より今を見てくれそうな感じがします。
 

ひたむきな女の子を応援したい男たち

 
―「あまちゃん」はアイドルという職業を通して、女子の成長と周りの男性の目線も描いたドラマ。それは恋愛に似ている?
 
私の周りでも、アイドル好きの男の子たちが「あまちゃん」で沸いてましたね。地下は「奈落」で頑張ってる女の子たちの姿がすごく響くんですよ。私もアイドル大好きだから、わかるんです。アイドル好きの男の子たちって、頑張っている女の子を応援すること自体が好きな人が多くて。自分が応援されたい、女の人に尽くしてもらいたい、って人が多いけど、アイドルオタクは、女の子の仕事を応援するスタンスがあるんです。頑張ってる姿を見て好きになってくれるんです。ただ、「ルックスだけでアイドル応援してるんでしょ」とか、「どうせアイドルのことをエロい目で見てるんでしょ」というのは大きな偏見だったりします。そんなわけで、仕事が大好きでずっと働いていたい!という女性にはすごくピッタリではないでしょうか。
 

「あまちゃん」を通じて恋愛を発展させるには

-「あまちゃん」は恋愛におけるコミュニケーションツールになりますか?
 
「あまちゃん」のいいところって、他のドラマと違って、みんな熱く語るじゃないですか。サラッとした会話で終わらず、語り出すと男の子も熱心になって。だから、「モテたい」と思うなら、それを「うんうん」って優しく聞くだけでも喜ばれるんじゃないかな。自分が興味持ってることを、バーッと喋りたいという男の欲を満たしてあげる。モテる女っていうのは、男の話をよく聞くっていうのが大前提なんですよね。だから、いいなと思ってる男性が「あまちゃん」好きって言ってたら、チャンス。(笑)それはもう熱心に語ってもらって、“あまちゃん欲”を発散してもらって、自分の好感度を上げるという……。ウンチク語りたがっても、ウザいと思わないで語らせてあげるのも相手を知る手。基本、男のウンチクって、女がそれを知らない前提で話してくるから、「へえー」ってノッてあげないといけないのがめんどくさいのですが…。で、単に自己顕示欲を満たしたいのか、すごく嬉しそうに話しているのか見極める。嬉しそうに話してる場合は全然ダメな男性ではない筈です。基本、男性が何かにハマッてるところって可愛いですしね。

 
そして、会話のキッカケに困ったり、男の人と気軽に話すのが苦手な人でも話題にしやすいというのも良いですよね。しかも話し始めたら、ひとりひとりのキャラのストーリーが深いから、誰について語っても、「あまちゃん」っていう一つのテーマで長いこと語れる。他の映画とかドラマなら5、10分で話が終わっちゃうかもだけど、あまちゃんなら何回でも語れるし。取り入れやすい有効な話題じゃないかな。みんなで飲んでいて、隣の席であまちゃんの話が始まったら参加してみたりするのもアリかもしれませんね。なんなら、一人飲み同士だったら、カウンター席の隣の人がマスターとあま話をしていたら混じっても良いかもしれません!

 

 
気持ちを恋愛モードに切り替え、目指せ“あま婚”
 
―犬山さんが今注目している婚活テクニックは?

いま、私の周りの女の子たちがしてるのが、「今までの自分だったらナシってしてた人と、とりあえず一回はデートする」っていうこと。まず、偏見を外す。相手を知る前からナシにしないで、まずはデートしてみて相手のことを見てみる。それでその人がやっぱりナシだとしても、特にデメリットはありませんから。

 

たとえば合コンでも「次につなげる」という意味でもその場をちゃんと楽しむのが良いと思います。その中の男性とどうこう、っていう気持ちじゃなく、そこから広がる交友関係がある可能性もありますし。今って、「彼氏ができない」の前に、「好きな人がなかなかできない」って悩んでる子が多いんです。でもそれって、男性と恋愛っぽい出会いをしてないからなんですよね。合コンって、いいリハビリの場だと思うんですよ。合コンで彼氏を見つけるつもりじゃなく、恋愛のリハビリしにいく。あんまり話の合わない相手でも、「あ、私、今日楽しめた」ってなれば、それだけでも収穫ですよ。イケメンくるかもなんて期待せず、サラッと行ってサラッと楽しんで帰ってくる。それを繰り返してると、自分の気持ちのモードがだんだん恋愛モードに切り替わっていきます。洋服買いに行くときも、気分がノッてないと何も欲しくないですよね。でもノッてると、アレもコレも欲しい! ってなる。そこの差って、恋愛でも同じ。ときめかない人は、まず、自分のモードを恋愛に切り替える。そういう意味でも、合コンには行って損はないはずです。で、会話に困ったらあまちゃんの話題をふってみるのも良いかもしれません。相手も見ていたらしめたもの。で、語るときは、ディスらない! 否定しない! ネガティブな要素はなるべく出さないことが大切です。親しくなってから、「でもあれはこうだよね」「これは違うよね」とかって深い意見も語れるような仲になれれば良いと思うんですよ。「あまちゃんについて語る」=「婚活」とまでは言えないと思いますが、男と女が同じ目線で熱く語れる、こういうコンテンツが登場したっていうのは、良いキッカケにはなるかな、と思います。

  • (C)2013 NHK

    『あまちゃん 完全版 DVD-BOX1』
    人気脚本家・宮藤官九郎が、能年玲奈主演で描くNHK朝の「連続テレビ小説」シリーズのBOX第1巻。東北・北三陸の小さな田舎町を舞台に、海女さんを目指すヒロインが奮闘する姿を綴った人情喜劇。第1週「おら、この海が好きだ!」から第8週を収録。

    ¥15,960/東映ビデオ 10月14日発売

    ※BOX2は11月8日、BOX3は2014年1月10日に発売予定

  • Text:Wakako Shudo

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