特集 2016/11/4(金)

超絶美青年だけどゲス。天才画家エゴン・シーレを演じた男優の禁断の美

絶対的な美が完成すると死に至る―――。そんな言葉を体現するかのように28歳で亡くなった20世紀を代表する美青年画家エゴン・シーレの伝記映画『エゴン・シーレ 死と乙女』の全貌が日本解禁。美しき主演男優ノア・サーベトラが演じた、女性を惹きつけ利用し尽くした天才画家の魔性が溢れるシーンカットの数々をたっぷりご紹介。

ヴァリとシーレの愛欲の日々。この物語は30年以上前に『エゴン・シーレ~愛欲と陶酔の日々』として映像化されている。その時の主演はジェーン・バーキンとマチュー・カリエール。

ノア・サーベトラに憑依したエゴン・シーレの美しい姿には、彼らと違い食虫植物のような誘因力で満ち溢れているところがたまらない。いるだけで人が寄ってきて、意図せずとも勝手に愛を捧げ、自分の欲望に忠実に動くただそれだけで周囲が翻弄されていく、これこそが本物の魔性。

俳優ほぼ初挑戦にして、フルヌードに挑めたのはモデルとしての活動のおかげ? シーレはモデルを“描く側”、ノア自身は“描かれる側”の立場だったというところも面白いところ。

何故この人がこんなにモテるのかよくわからない……という違和感をほとんど感じないと言っても過言ではないこの“美青年映画”には、彼の美しきフルヌードシーン含め、悪魔的ともいえる優美な男性美が溢れに溢れている。

極端に歪められた裸体を多く描き、ヒトラーも蒐集し、今ではオークションでは数十億で取引されることも。性をあからさまに表現すればゲージュツになるだろうというちょっと短絡的でアレな感じが特徴。左は16歳の頃のシーレ。

Photo : Getty Images

三島由紀夫やジャン・コクトーなどが、絶対的な美が完成されると“死”に通じてしまうとした通り、この美しきシーレが若くして命を失ってしまうのも納得の美しさがここにある! ノア・サーベトラの魔力にかかってしまいたい人は必見。ただし、10分ごとに「この男、ゲス」とつぶやいてしまうかもしれないけれど。

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  • 『エゴン・シーレ 死と乙女』
    監督:ディーター・ベルナー
    出演:ノア・サーベトラ、マレシ・リーグナー、ファレリエ・ペヒナー、ラリッサ・アイミー・ブレイドバッハ
    原題:EGON SCHIELE – DEATH AND THE MAIDEN
    オーストリア・ルクセンブルク作品 109分 シネマスコープ 15+
    2017年1月Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
    公式HP: http://egonschiele-movie.com/ 
    (c)Novotny & Novotny Filmproduktion GmbH

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