セレブコラム
2017/07/13(木)
立田敦子のセレブBUZZ/『オクジャ/Okja』「ツイン・ピークス」

とにかく必見。今年のカンヌの話題作が早くもTVでリリース!

いま注目すべきは劇場公開作品だけではない! 映画ファンにとってもはや無視できないのが、映画並みの予算をかけ、ときには劇場公開作品以上のクオリティを生み出している配信系コンテンツ。特にこの夏リリースとなった2作品はカンヌ映画祭でも話題になっていたのは記憶に新しい。立田敦子さんが解説。

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コンペ部門にノミネートされた『オクジャ/okja』だったが……

 
 米国発のオンラインストリーミングサービスのNetflixは、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」などのオリジナルドラマでも成功を収めたが、近年ではオリジナルの映画制作にも積極的。今年のカンヌ映画祭ではコンペ部門に、前述の『オクジャ/okja』とノア・バームバック監督の『ザ・マイヤーウィッツ・ストーリーズ』の2作品が選出されるという快挙を成し遂げた。
 
 が、このことにフランス映画界が猛烈に反発。フランスでは劇場公開後36ヶ月、つまり3年経たないと映画は配信サービスではリリースできない。だが、Netflixの場合は、配信サービス企業という特色から劇場公開されるとしても配信と同時リリースが基本である。従って、現状では2作品ともフランスでは劇場公開される予定がないのだ。フランス国内で劇場公開されない作品をフランスが誇るカンヌ映画祭で上映する必要がない、というもの。実際に、この抗議を受け、カンヌ映画祭側も来年からは、フランス国内で劇場公開できない作品は選出しないという異例の声明を発表した。さらにオープニングの審査員記者会見では、審査員長のスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが、用意してきた声明文を読み上げ、カンヌ映画祭の決断を支持することを明言。「(上記2作品は)パルムドールのみならず、いかなる賞も受賞しないだろう」とコメントするという異常事態に。
 
 ポン・ジュノ監督は、この論争に困惑気味で「映画を撮るための資金調達はいつでもたいへんなのですが、Netflixは、かなりの金額を用意してくれ、しかも自由に制作させてくれた。とてもコラボレーションはスムーズに進みました。この状況(論争)は、予期しないことでした」とインタビューでホンネをぽろり。 
 
 実際に、日本でも劇場公開はされないが、6月28日からNetflixで配信が始まっているものの、実際にスクリーンで観られないのは残念な気も。

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Text: Atasuko Tatsuta

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