父と息子のアイアンマンレース挑戦を描いた感動作

もう1本のおすすめは、『グレート デイズ！ 夢に挑んだ父と子』。監督＆共同脚本のニルス・タヴェルニエは、フランス映画ファンの方はご存じの通り、名匠ベルトラン・タヴェルニエ監督の息子で、日本でも大ヒットした『エトワール』（00年）などドキュメンタリー畑で活躍してきた実力派。これは彼にしては珍しいフィクション作品です。
 
家族と疎遠だった父親が、車いす生活を余儀なくされている息子の提案によって、ふたりでアイアンマンレースに挑むというもの。家族のドラマでありながら、ドキュメンタリー作品の取材の過程で、小児病院などを訪問してきたタヴェルニエ監督ならではの観察眼が生かされた、真実味のあるドラマ。息子役を演じたファビアン・エローは、実際に障害をもついわば、素人の俳優。オーディションで選ばれ、大抜擢されただけある並々ならない存在感がある。
 
ちょっとした驚きなのが、父親役のジャック・ガンブラン。押しも押されぬ名優ですが、私生活でもさまざまなスポーツを愛するアスリート。今回も体の作り方は半端ではありません。本物のアイアンマンレース時に撮影されたというクライマックスは、見応えアリ！