セレブコラム 2014/9/1(月)
立田敦子のセレブBUZZ/『不機嫌なママにメルシィ!』『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』

本国大ヒット! フランス映画の“いま”を見逃すな

この秋は、『イヴ・サンローラン』以外にも注目のフランス映画が続々公開。今、フランスで最も旬といえる俳優&監督ギョーム・ガリエンヌによるハートフルコメディ『不機嫌なママにメルシィ!』と『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』、2本の見どころをたっぷりご紹介!

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(c) 2013 LGM FILMS, RECTANGLE PRODUCTIONS, DON’T BE SHY PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 3 CINEMA, NEXUS FACTORY AND UFILM

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セザール賞5冠! 厳しいフランスの批評家も大絶賛

1本目は、フランスで観客動員数300万人を突破というヒットを記録し、今年のセザール賞で5部門を獲得した『不機嫌なママにメルシィ!』。そう、以前このコラムでも紹介した、いま最もフランスで旬な俳優ギョーム・ガリエンヌが監督・脚本・主演(それも二役)をこなしているハートフルコメディだ。
 
裕福な一家で優雅で美しいママに憧れて育ったギョームは、女の子のように育ってしまった。周囲からはゲイだと思われているが、男らしくしたいパパは、男子校に入れる。しかし学校ではいじめられ、イギリスに留学するもそこでは大失恋が待っていた。混乱に陥ったギョームは、本当の自分探しの旅に出るが……。
 
コメディとはいいながら、アイデンティティを模索する“深くていい話”。厳しいフランスの批評家たちからも大絶賛されたのが、うなずけるというもの。さらに、このお話は、演劇界の名門コメディ・フランセーズ出身の実力派でもあるギョーム・ガリエンヌの自伝的物語だというからなおさら興味深い。こんな風に悩みや葛藤を乗り越えたから、今の立派な活躍があるのかもしれないと思うと、悩める10代、20代にもぜひ観て欲しい作品です。自らの性別に悩む人でなくても、ね。
 
初監督作品で最高ランクともいえる高い評価を得たガリエンヌですが、個人的には、彼の女装演技のクオリティの高さに注目。女装といえば、『トッツィー』(82年)のダスティン・ホフマンや『ヘアスプレー』(07年)のジョン・トラボルタなどの映画史に残る名演が思い出されるけれど、このタフな母親役は、まさに彼らに勝るとも劣らないもの。ガリエンヌは、『イヴ・サンローラン』でもサンローランの公私に渡るパートナー、ピエール・ベルジェを好演しているけれど、芸幅の広さはまさに圧巻。思うに、エレガントさと迫力と美貌は、カトリーヌ・ドヌーヴがロールモデルだと思うのですが、どうでしょう?

  • 『不機嫌なママにメルシィ!』
    監督・脚本・出演/ギョーム・ガリエンヌ
    出演/アンドレ・マルコン、フランソワーズ・ファビアン
    配給/セテラ・インターナショナル
    公式サイト/www.cetera.co.jp/merci
    2014年9月27日(土)~、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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text : Atsuko Tatsuta

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