女性なら誰もが直面する愛、喪失、そして老い

もう1本の『アクトレス～女たちの舞台～』は、美貌と名声を欲しいままにした大女優の素顔に迫る映画。
 
大物女優マリア（ジュリエット・ビノシュ）は、新進演出家から、若かりし頃ブレイクのきっかけとなった舞台のリバイバルへの出演オファーを受ける。だが、かつて彼女が演じたヒロインは、ハリウッドのお騒がせ女優ジョアン（クロエ・グレース・モレッツ）が演じ、マリアは、ヒロインに翻弄される中年女性経営者の役。複雑な気持ちを抱えながら、アシスタントのヴァレンティン（クリステン・スチュワート）とともにスイスの山荘に籠って、準備を始めるが……。
 
華やかなセレブリティの世界を垣間みる面白さもあるが、この作品は女性なら誰でもいつかは直面するさまざまな問題を見事にブレンドしている。愛、喪失、虚栄、そして老い、孤独。
 
まったく違った個性をもつ3人の実力派女優が、イメージとは違うキャラクターに挑戦しているところも面白い。ちなみに、こちらの作品は、「シャネル」が衣装提供と製作サポートに名を連ねる。ビノシュやクロエが着こなすファッションも注目です！