HRT
　
「Hormone Replacement Therapy」の略で、エストロゲンを主体とした女性ホルモンを補充する治療法のこと。女性は、年齢とともに分泌される女性ホルモン量が徐々に低下する。閉経の平均が50.5歳でこの前後合わせた10年間を更年期という。この時期、女性ホルモンが低下することで、自律神経のバランスが崩れたり、疲れやすくなったり、落ち込みやすくなるなど、体も心も調子が乱れやすい状態に。その不調を解消する代表的な治療法が、女性ホルモンを補充するHRT。欧米では50％近い普及率があるものの、日本ではまだ1.5～3％と先進国の中でも驚くほど低い数字だ。その背景には、副作用を恐れる声が多いという現状が。しかし、実際にはHRTで補充する女性ホルモン量は微量。婦人科医でもHRTの使用を積極的に推奨する医師も増えてきている。
　
また、最近話題の「ナチュラルホルモン」（正式には「バイオアイデンティカルホルモン」）は、HRTとは別のもの。ナチュラルということで支持されているが、臨床データが少ないことをアメリカのFDAが指摘している部分もある。合成よりもナチュラルのほうが安全、と安直に考えるのはまだ時期尚早かも。