修行先のイタリアで出合った4人が意気投合。「イタリアの街のトラットリアのように、お財布を気にせず、お腹いっぱい食べて飲んでいただきたい」（代表の青池隆明さん）と、裏銀座に構えたトラットリアだ。だから、ディナーはアラカルトのみ。メニューも「仔牛のカツレツ ミラノ風」や「アクアパッツァ」など、確信犯的に定番料理を揃えていて、それが逆に新鮮なのだ。味つけもしかり。たとえば、青池さんの修行先でスペシャリテだった手打ちパスタ、キタッラ。写真の「フルーツトマトとバジルのキタッラ」も、ソースはほぼ生のフルーツトマトとオリーブオイルのみ。余計なブイヨンやソースは入れない。でも、これがもちもちとした食感のキタッラにたっぷり絡むと、不思議なほどおいしいのだ。どの料理も、こうしたトラットリアらしいシンプルな味つけがピタリと決まっていて、勢いがある。ワインはイタリアのみ￥3000、￥4000台を中心に90種ほど。フォカッチャではなく、トスカーナの素朴なパンが、紙袋でサーブされるスタイルも、らしくていい。