アルザスワインの魅力に迫る!
秋も本番! 店先にはおいしそうな食材が並び、レストランのメニューには秋の味覚が勢ぞろい。食欲満開のこの季節には、ワインもとびきりおいしく感じられる。さて、今日はどんなワインを飲もうか……と迷っているなら、アルザスワインを飲んでみない? フルーツが豊かなアルザスには、ぶどうのおいしさがギュッとつまった秀逸なワインがたくさんある。そんなアルザスワインの魅力について、アルザスワイン委員会のティエリー・フリッチュ氏にお話をうかがった。
「アルザスには、南北170kmにわたるroute des vins(ワイン街道)があり、そのルート沿いの119の村でワインを作っています。この写真の通り、美しい自然に恵まれた土地で、ゆったりした環境の中でぶどうを栽培し、ワインを造っているのです」とティエリー氏。アルザスで造られるワインは、その90%が白ワインだという。「使うぶどうは7種類。リースリング、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ゲヴルツトラミネール、ピノ・ノワール、ミュスカ、シルヴァネルです。まだ日本にはなじみの薄い品種もあるかもしれませんが、その香りや味わいは本当に複雑で、だからこそ、繊細な和食にぴったり寄り添うことができると私は思いますよ」
そう、アルザスワインは、和食ともっとも相性のいいワインのひとつ。インタビューの日、ティエリー氏は銀座にある和食店「銀座大野」で、アルザスワインと日本料理のマリアージュについて、実際に料理とワインを合わせながら解説してくれた。
この日、ティエリー氏が紹介してくれたのは、クレマン・ダルザス、リースリング、ピノ・グリ、ゲヴルツトラミネールの4種類のワイン。ウニ、きのこ、さば、カニなどの素材や、しょうゆ、みそといった日本の調味に本当にこれらのワインが合うのかどうか……。多少疑問に思いつつも話に耳を傾けると、「たとえば、寿司に合わせるワインを選ぶとしましょう。寿司は、ご存知のように酢を使った料理です。これにはぜひ、すっきりとした酸が特徴のリースリングを合わせてみてください。バランスのよい酸が酢飯に寄り添います。白身魚や甲殻類をネタにつかったものならまさにベストマッチ。リースリングは和食のあらゆる素材や調味料に無理なく合わせられます。そしてピノ・グリ。これが意外なことにカニとぴったり合う。ゲヴルツトラミネールに至っては、ピーマンの香りと形容されるくらいだから、香りの強い野菜やくせのある食材と合わせると面白いですよ」と、自信満々。言われて試してみると、なるほど納得の味わい。和食とアルザスワイン、これはいける!
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紹介したワインの問い合わせ先
●AOC クレマン・ダルザス ブリュット(カーヴ・ド・トゥルクハイム)
¥2,000(参考価格)/カーヴドリラックス tel.03-3595-3697
●AOC アルザス リースリング オステンベルグ(ドメーヌ・ローヴ)
¥3,360(参考価格)/ディス・エクスポール tel.03-5212-3621
●AOC アルザス ピノ・グリ(ルネ・ミュレ)
¥2,520/岩田醸造 tel.03-3415-5511
●AOC アルザス・グラン・クリュ・オスターベルク ゲヴェルツトラミネール(ルイ シップ)
¥5,985/東亜商事 tel.03-3294-4075