特集 2015/10/19(月)
世界のおやつ from Paris/おおみやかな

夏の終わりを告げるフルーツ、ミラベルのクラフティはいかが?

こんにちは。パリ在住のフードコーディネーター、おおみやかなです。今回から、フランスのご当地おやつ話をお届けすることになりました。フランスのエスプリ感じる素敵なおやつ、フランス人らしさに思わず笑ってしまうおやつ、子供からおばあちゃんにまで愛されているおやつ……。さまざまなおやつを通して、フランス流の時間の楽しみ方を、簡単なレシピとともにお伝えします。楽しいお茶の時間に絶対外せない、簡単おいしいフレンチおやつ。初回は、夏の終わりから6週間だけ出回る季節限定フルーツ、ミラベルを使った郷土菓子をお届け!

フランス人が愛して止まないフルーツ、ミラベルをご存じですか? 夏の終わりを告げるようにマルシェに出回り、約6週間という短い期間でしか口にすることができない季節限定フルーツ、それがミラベルです。日本名では「西洋すもも」。出回る時期を心待ちにするフランス人も多く、この名前をマルシェやテレビのニュースで目や耳にすると夏の終わりを感じるという、フランス人にとっては季節の変わり目のセンチメンタルなフルーツです。自宅で大量に買い占めてコンフィチュールにしたり、パティスリーではこぞってミラベルを使ったお菓子が店頭に並び始めます。その年の生産量がニュースで流れ、ほかの果物より少し高めのプライスも含めて、フランス人にとって特別感のある果物は、ミラベルのほかにはないのでは、と思ってしまいます。

黄金色に輝くミラベルは、小粒のプラムのようなサイズ感がかわいらしく、ほほを赤らめたような色合いが魅力的。マルシェや八百屋に並べば、その姿はひときわ目立ちます。ミラベルは、ほかのすもも系果実と比べて酸味が少なく、濃厚な蜜のように上品で透明感のある甘さが口いっぱいに広がり、とろけるような味わい。フランス北東部、ロレーヌ地方のものが特に有名で、出回るミラベルの約7割をしめているそうです。この美しくておいしいミラベルこそがフランスの果物である、と誇らしげに口にするのを耳にするたびに、自国をこよなく愛するフランス人らしい、と思ってしまいます。
 

さて、そんなミラベルを、フランスの家庭で定番のスイーツ、クラフティに仕上げてみました。もし、私が田舎に暮らすフランス人のおばあちゃんだとして、この季節に家族や友人のために作りたいお菓子と聞かれたら、それは「ミラベルのクラフティ」。夏の余韻を楽しむ、シンプルでやさしいおうちレシピです。ちなみにクラフティとは、りんごや洋なし、フランボワーズ、チェリーなどどんな季節の果物でも楽しむことができる焼き菓子で、フランスでは昔から今もなお愛され続けている家庭的なおやつ。それではさっそく、ミラベルのクラフティの簡単レシピをご紹介します。

<材料>
・ミラベル 200gほど(缶詰でも可能)
・全卵 2個
・グラニュー糖 50g
・強力粉 20g
・クレームエペス 250g(サワークリームでも代用可)
・型に塗る無塩バター、グラニュー糖 適量
 
<作り方>
1. 型にバターを塗り、その上に全体的にグラニュー糖をまぶしておく。
2. ボウルにサワークリーム、砂糖、全卵、強力粉を入れて混ぜる。だまになりやすいので注意しながらしっかり混ぜること。
3. 型に2の生地を流し込み、ミラベルを種を外さずそのまま散らす。
4. 220℃に温めておいたオーブンで約20分焼く。

深さが浅めの耐熱皿を使うと、ミラベルの存在感が残っておすすめ。アツアツでも、粗熱がとれた頃でも、どちらでもおいしく食べられます。日本では生のミラベルはなかなか手に入らないとは思いますが、缶詰のミラベルを見つけたらぜひ試してみてください。その際は水分をよくきって使うのがポイント。また果実の甘さで、砂糖の量も調節してみてくださいね。フランスの定番スイーツで、季節の果実の恵みをたっぷりと堪能してみてはいかが?

  • おおみやかな●日本・フランス国内のレストランにて仏料理と菓子を学ぶ。パリ在住日本人と結婚後、自宅での料理教室活動を開始し日本でも簡単に再現できる仏家庭料理レシピを紹介。育休中にトータルフードコーディネーター資格取得。ヴァンブの蚤の市がパワースポット。

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