絶滅寸前!? エクアドルの伝統的ホットシェイク「ポンチェ」
エクアドルの数ある伝統的なおやつのなかで、首都・キトにしかない、しかもある特定の場所でしか出会えない、絶滅の危機に瀕している飲み物があります。そんな貴重な飲み物を、今回はレポートしたいと思います。
発見しました、白いおじさん! このおじさんは、「ポンチェーロ」と呼ばれるポンチェのエキスパート。
移動式の機械には金色の蛇口が付いていて、そこからポンチェが出てきます。道で売られているポンチェは、カフェ・モデロのポンチェよりもさらさらしていました。その理由は、実はこちらのポンチェには「マルタ」という麦芽のジュースが混ざっているからなのです。そのため味はなんと、ビール風味! けれどアルコールは入っていませんので、ご安心を。
最後に特製ソースをかけて出来上がり! 1杯50セント(約50円)です。ストリートドリンクのポンチェは、麦汁のマルタで苦みが出てしまうので砂糖入り。そこにソースの甘さが加わって、甘み倍増! かなり甘い仕上がりです。これもまた、代々引き継がれる伝統の味なんだとか。
ポンチェーロ(ポンチェ売りのおじさん)の数は、次第に減り続けて、今や絶滅寸前……。けれど、子供から大人までみんなに愛される伝統的な味を守ろうと、一生懸命売って(歩いて)います。
キトに行ったらぜひ、貴重なポンチェを試してみてくださいね! さて、私からの南米おやつレポートは、今回が最後です。地球の裏側、南米の魅力を「食」を通して少しでも伝えられていたらうれしいです。今まで読んで頂き、ありがとうございました、Gracias!(グラシアス、ありがとう)
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あんり●北海道で生まれ育ち、学生時代にアメリカ・スペインに留学。 大学卒業後に日系企業に就職するも、やりたいことxできることを叶えるために3年で退職。身に着けた語学と海外経験を活かし、日本と南米の懸け橋になりたいと、南米エクアドルにきてもう早いもので3年が経過。現地旅行会社(http://www.surtrek.jp/)でガイドとしてマチュピチュ・ウユニ塩湖への添乗を経て、現在はフリーの通訳として活動中。南米を多くの日本人に知ってもらいたいと、ブログも執筆する(http://ameblo.jp/quito-anri/)。