イタリアの“父の日スイーツ”といえば、揚げシュークリームのゼッポレ!
一年中、四季折々のイベントにまつわるドルチェで賑わうイタリアのパスティッチェリア(菓子店)。春の陽気を一気にもたらしてくれた黄色い「トルタ・ミモザ」からバトンを受け継いだのは、父の日を祝うドルチェ「Zeppole(ゼッポレ)」。日本では5月に母の日、6月に父の日と続きますが、イタリアの父の日は、毎年3月19日。イエス・キリストの養父「San Giuseppe(サン・ジュゼッペ:聖ヨセフ)」を祝う日のため、ただ単に「ゼッポレ」ではなく「Zeppole di San Giuseppe(ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ:聖ヨセフのゼッポレ)」とも呼ばれています。
現在のゼッポレのレシピは、1837年にナポリの料理家であり文学者のIppolito Cavalcanti(イッポリト・カヴァルカンティ)によって記され、ナポリからイタリア全土に広まりました。どうして父の日を祝うドルチェがゼッポレなのかと言うと、一説には大工だった聖ヨセフには副業があり、それがなんと“揚げ物屋”だったため、揚げシュークリームであるゼッポレを聖ヨセフの日に食べるようになったのだとか?!
そんな「ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ」を求めて今回訪問したのは、ボローニャの旧市街を囲む城門のひとつ「Porta Castiglione(ポルタ・カスティリオーネ)」のすぐそばにある「Regina di Quadri(レジーナ・ディ・クアドリ)」。
店内は白を基調に、ピンクとバイオレットのアクセントカラーがかわいらしい。シチリアのカルタジローネでオーダーしたという手作りタイルも非常に美しく、居心地のよい空間。
2010年にオープンしたこの店のオーナーは、Francesco Elmi(フランチェスコ・エルミ)さん。彼の人生は、9歳のときに祖母と一緒にメレンゲを作ってからドルチェとは切っても切り離せないものになりました。学生でありながら14歳で菓子職人の道へ足を踏み入れ、30代という若さで由緒あるイタリア菓子職人協会「アッカデーミア・マエストリ・パスティッチェーリ・イタリアーニ(AMPI=Accademia Maestri Pasticceri Italiani)」のメンバーとなったまさにイタリアドルチェ界のエース。
そんなフランチェスコさんが、ゼッポレ作りの全工程を披露してくれました。
-
Regina di Quadri(レジーナ・ディ・クアドリ)
Via Castiglione, 73/A, 40124 Bologna(BO), Italia
tel. +39 051 644 6201
営業時間/6:30~21:00、日曜7:30~20:00
定休日/月曜
http://www.pasticceriareginadiquadri.it/
-
Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら「フェリチターリア」の通訳・翻訳者、FAI(イタリア環境基金)認定の文化・芸術メディエーターとして、「食の都」ボローニャを中心にイタリアの魅力を発信中。
http://www.felicitalia.net/