世界の街から届いた、フェスティブシーズンのご当地スイーツ
2015/12/19(土)
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from Brazil /あんり

ブラジルのクリスマスには、なんとイタリア発の「パネトーニ」が欠かせない!

カトリックが大半の南米では、クリスマス=家族で過ごす大切な日。日本は恋人と過ごす日なんだよ、と教えるとみんな驚くラテン人たち。さて、そんな南米のブラジルでは、クリスマスシーズンにだけ登場するスイーツがある。日本の22.5倍もある巨大な国、ブラジル全土でクリスマスと言えばこのスイーツが欠かせない! それが、北イタリア・ミラノが発祥の地で、15世紀に誕生したお菓子「Panetone(パネトーニ、又はパネトーネ)」。一体、なぜイタリアのお菓子がブラジルに定着したのか? それは、第二次世界大戦後の奴隷制廃止後、プランテーションでの働き手として到着した大量のイタリア人移民の影響しているとか。現在全ブラジルの15%を占めるイタリア系移民が自国の伝統スイーツであるパネトーニを伝え、今ではすっかりブラジル文化の一部に。ブラジルでのパネトーニの生産は1948年から始まり、実は今では本国イタリアに勝り、パネトーニの世界最大消費国はブラジルなんだとか! ちなみに名前の由来は諸説あり、パン職人のTony(トニー)がミラノ公へイブに作ったお菓子が元だそう。好きな女の子のお父さんを感動させるために作ったものというかわいらしい説もありますが、どんな理由であれ、トニーが作ったパン=“Pão de Tony(パオ・デ・トニー)”が由来だそう。さてブラジル国内に数あるパネトーニのメーカーのなかでも、高い品質を誇る有名ブランドが「Ofner(オフナー)」。1952年創業の歴史あるブランドで、サンパウロ州の中に23店舗が点在する。今回は、特別に工場内に潜入! さて、最高級パネトーニの作り方とは?
パネトーニの生地は、小麦粉、バター、卵黄、乳化剤、きび砂糖を混ぜ合わせたもの。自然酵母で9時間かけて発酵させ、ドライフルーツなどとバニラ風味のエッセンシャルオイルを加えてさらにミックス。完成した生地を丸め、紙の型に入れ6時間再発酵。その上にバターを塗り、170℃のオーブンで約1時間焼いたらようやく完成する。シンプルに見えて、完成までに約2日。この「オフナー」というブランドでは、今年2015年の生産予定量は400トン(パネトーニ60万個分)だそう。12月には220人を追加で雇用して、24時間体制で生産するそうだ。さすが国民的大人気スイーツ!
卵たっぷりxバニラ風味でほんのり甘い生地は、やみつきの味。食感はデニッシュをもう少しふんわりさせたような、パンとケーキの中間といった感じ。具はドライフルーツが定番だが、最近ではチョコレートやキャラメルなど、フレーバーもさまざま。一番小さいサイズがドライフルーツ入りの「Panetone Tradicional(トラディショナル)」(500g 18.90レアル)、一番大きいクリスマスパッケージは重さ4kgで191.40レアル(※2015年12月現在、1USドル=3.8レアル)。保水性、防腐性、抗菌性が高く、約4~5カ月も日持ちするため、自宅用はもちろんのことギフトにも人気。クリスマスは家族みんなでパネトーニを食べながら、聖なる夜を過ごしてはいかが? Bom apetite(ボナペティ、お召し上がれ)!

  • あんり●北海道で生まれ育ち、学生時代にアメリカ・スペインに留学。 大学卒業後に日系企業に就職するも、やりたいことxできることを叶えるために3年で退職。身に着けた語学と海外経験を活かし、日本と南米の懸け橋になりた いと、南米エクアドルにきてもう早いもので3年目になりました。 現地旅行会社(http://www.surtrek.jp/)でガイドとしてマチュピチュ・ウユニ塩湖などのツアーに添乗しながら、南米を多くの日本人に知ってもらいたいと、ブログも執筆中(http://ameblo.jp/quito-anri/)。

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