特集 2016/3/15(火)
イタリア、オリーブオイルの旅 vol.1

オリーブオイルができるまで

いまや日本のキッチンに欠かせない食材、オリーブオイル。世界に産地は数あれど、やはり目指すはイタリア! おいしいオリーブオイルを求めて旅するイタリア・レポートの第一弾は、オリーブオイルが作られる現場へ潜入。

訪れたのは、上質なオイルで知られる名産地、トスカーナにあるダ・ヴィンチ村(かのレオナルド・ダ・ヴィンチの生家があるという!)の小さな生産者だ。標高400~500mの斜面は、見渡す限りのオリーブ畑。オリーブの栽培には、ある程度標高が高い丘の斜面が適してるのだという。あまり雨が多すぎてもよくないが、このエリアは水はけのよい土質で、良質のオリーブがとれるのだそうだ。

出迎えてくれたのは、栽培を担当するマリア―ノさん。「この斜面は、海からの暖かい風が適度に吹いてくるから、冬でもそれほど寒くならず、オリーブにとっては快適な土地のようです」。訪ねたのはちょうど収穫の時期。マリア―ノさんは木にはしごを立て掛け、せっせとオリーブの実を落としていたが、不思議な器具を手にしているのを発見。これは? 「これはオリーブを木から落とすのに使う道具です。枝を間にはさんでしゅーっとしごくと、実を傷めずに下に落とすことができます」

落ちた実は、下に敷いた網でキャッチ。とれたてのオリーブの美しいことといったら! 「オリーブの木は、3mくらいの高さがよく、枝が横に開くように、そして枝と枝がくっつきすぎないように気を付けて剪定します。そうすることで日光がムラなく当たり、風通しもよくなるので、実が傷みにくいのです」。畑が斜面になっているため、機械でいっきに収穫するのが難しく、それゆえ収穫はすべて手作業。「だから、手が届かないほど高く育ててはだめなのです。収穫の仕事は大変ですが、こうして丁寧にとることでオリーブのストレスが少なくなり、良い状態で収穫できる、つまりおいしいオイルができるというわけです」

マリアーノさんと、義理のご両親のリッピ夫妻。家族経営の小さな農園ながら、トスカーナの典型的な3品種、レッチーノ、モライオーロ、フラントーイオに加え、受粉を促進するといわれるペンドリーノ種も育て、上質のオイルを生産している。「2014年は雨が多くて苦労しましたが、2015年は素晴らしい気候に恵まれました。きっとおいしいオイルができると思いますよ!」と、ご主人のラファエッロさん。

100kgのオリーブから搾られるエキストラバージン・オリーブオイルはわずか15リットルだという。大切に育てられた健全な実から作られるオイルは、オリーブのいのちの結晶のようだ。
 
>>次ページでは、オリーブオイル工場を訪問!

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photo : Tomoyuki Tsuruta   cooperation : IOC  special thanks : Miki Tanaka

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