日頃イラっとしやすい理由は、朝の炭水化物が原因かも!?
1日の活力や集中力を養うために朝食がどれだけ大切か、もうみんな知っているはず。ところが最新の研究では、何を朝食に選ぶかで、性格や他人との接し方、つまりは内面にも影響を及ぼす可能性があることがわかってきたんだとか。
<研究結果>
一般的に、低炭水化物の食事を行っている人はタンパク質の摂取量が多く、それにより脳内ホルモンのひとつであるドーパミンが増えるという。実際、低炭水化物の食事をしたグループから採取した血液サンプルを調べると、ドーパミンとドーパミンを生成するチロシンの増加が見られた。ドーパミンは快楽や多幸感を得られる神経伝達物質で、ドーパミンと寛容な行動には関連がありそうだ。この実験で、低炭水化物の食事をしたが少額のお金でも満足したのは、低糖質・高タンパクの食事によって、すでにドーパミンから満足感を与えられているからだと考えられるという。また、炭水化物の摂取量が少ない人ほど、合理的になるという指摘もある。すでに述べた通り、「最後通牒ゲーム」では少額でも提案を受け入れるほうが、経済的な面から見ると正しい判断だからだ。
しかしながら、食事が人間の行動に与える影響にはまだまだわからないことも多く、「ロンドン大学」のバハドール・バーラミ氏は次のように述べている。「今回の実験結果は限定的です。人間の社会的な意思決定の要因ついては、さらに研究を重ねる必要があります」。また、この研究に取り組んでいる別の科学者は、ドーパミンレベルが行動に影響している一例として、昼食前の時間帯、つまりお腹が空いた時間に、裁判官たちが仮釈放を許可しない傾向にあるという過去の研究結果を挙げている。なお、今回の研究はドイツの「リューベック大学」で行われたもので、論文は『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載されている。
original text : The Good Housekeeping Web team translation : Rubicon Solutions, Inc cooperation : Yuko Ehara photo : Getty Images
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※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。