【速報！】アジアのベストレストラン2015はどこ？
「アジアのベストレストラン50（Asia's best restaurants 2015）」が発表された。会場国となったのは今年もシンガポール。近年、アジアの金融業界の雄としての活躍が目覚ましいが、世界でも稀有な発展を遂げる“食の大国”としても注目されている。多くのスターシェフが集結した熱くエキサイティングな夜を、現地からレポートする。
タイ・バンコクのレストラン「Gaggan」のシェフ、ガガン・アナン氏（右から2番目）。こよなく日本を愛する、インド出身のキュートなキャラクター。が、ストリートフードをガストロノミックに編纂するなど、料理は革新的だ。
50位から順々に発表されていく過程では、会場から幾度もため息や喜びの声があがった。ニューエントリーの店がなんと8軒もあり（残念ながら日本からはゼロ）、なかでもフィリピンの「Antonio's」、カンボジアの「Cuisine Wat Damnak」はいずれも、国としても初エントリーとあって惜しみない拍手が贈られた。昨年から大きく順位を上げる店、逆にガクンと順位を落とす店もあり、発表を告げるアナウンスの声は次第に興奮を帯びていく。会場がどよめいたのは、昨年1位の「Nahm」が7位だと発表されたときだ。ここから上のランキングは驚くべきもので、昨年と変わらずにいたのは日本の「Narisawa」の2位のみ。1位に輝いたのはタイ・バンコクの「Gaggan」。2位が発表された時点で、舞台下で出番を待つシェフのガガン・アナン氏は涙が抑えられず、それを見守るすべての人々がニューヒーローの誕生を祝った。
右から「レフェルヴェソンス／12位」の生江史伸シェフ、「天空龍吟（香港）／24位」の佐藤秀明シェフ、「カンテサンス／49位」の岸田周三シェフ、「イデミ・スギノ／ベストペストリー賞」の杉野英実シェフ、「Hajime／14位」の米田肇シェフ、「龍吟／4位」の山本征治料理長、「Narisawa／2位」の成澤由浩シェフ。
今回、もうひとつ特筆すべきなのは、日本勢の躍進だ。ニューエントリーこそ1軒もなかったものの、ほとんどの店がランクを上げ、中でも大阪の「Hajime」は、昨年の42位から28軒抜きの14位にランクし、最も順位を上げた店に贈られる「ハイエストクライマー賞」を受賞した。また、最も優れたペストリーシェフに贈られる「Asia's Best Pastry Chef」には、東京・京橋の人気店「イデミ・スギノ」が選ばれるなど、これもおおいに評価されるべき快挙だ。2位の「Narisawa」以外のすべての順位が動いたベスト10は以下のとおり。
1位 Gaggan（バンコク／昨年3位）
2位 Narisawa（東京／昨年2位）
3位 Ultraviolet by Paul Pairet（上海／昨年8位）
4位 日本料理 龍吟（東京／昨年5位）
5位 Restaurant Andre（シンガポール／昨年6位）
6位 Amber（香港／昨年4位）
7位 Nahm（バンコク／昨年1位）
8位 8 1/2 Otto E Mezzo Bombana（香港／昨年10位）
9位 Waku Ghin（シンガポール／昨年7位）
10位 Jungsik（ソウル／昨年20位）
※その他詳細については「Asia's 50 Best Restaurants 2015」のサイトでご覧ください。
http://www.theworlds50best.com
photos : Mino Inoue cooperation : Singapore Tourism Board