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ジャスティン・ビーバーの日本愛
ここ10年こうした邦楽アーティストのみが出演する大型音楽イベントが巨大化したことによって邦楽偏重の傾向はさらに加速。その結果として、海外のビッグアーティストを日本のイベンターが招聘することがビジネス的に難しくなってしまった。なぜかと言うと、海外のビッグなアーティストになればなるほど、海外と日本での認知や人気、集客があまりに乖離してしまい、ギャラが釣り合わない。日本のフェスひとつに出演するより、アメリカのフェスにいくつか出演する方が下手すれば何十倍もの利益になる。しかも、せっかく日本を優先しても、びっくりするくらいフィールドにクラウドが集まらない場合も多い。ここ10年、そういった光景を何度か目にしてきました。事実、世界的に人気なヒップホップアーティストのケンドリック・ラマーもカニエ・ウェストも来日する気配がありません。
実際、昨年もっとも世界的な話題に上がったビヨンセやリアーナのツアーも日本では行なわれなかった。夏フェスにもブックされなかった/できなかった。アデルもカニエ・ウェストもザ・ウィークエンドも来なかった/呼べなかった。いわゆる“日本飛ばし”現象です。昨年のジャスティン・ビーバーの公演があんなに小さなキャパシティの会場で開催されたこと自体が奇跡的。これは裏を返せば、彼がどれだけ日本のファンを愛しているか、ということの現れでもあるのです。
Text: Soichiro Tanaka Photo: Aflo, Getty
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田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka