【Vol.1】女性を活かす職場の作り方
働く女性を応援するイベント、「エル・ウーマン・イン・ソサエティ」。6月13日(土)の開催を目前に控え、当日登壇する予定の女性リーダーたちに、女性が働きやすい職場づくりについて訊ねる連載がスタート! 職場から見えてくる“理想の働き方”を追求しようという本企画の栄えある第一回は、ニュースリリースポータル「News2u(ニューズ・ツー・ユー)」の代表取締役会長であり、ツネイシホールディングス専務である神原弥奈子さんの“自慢の職場”が登場。
フリースペースで自主性を尊重
―クリーンなオフィスですね。オフィス全体に対しフリースペースが広いです。何故ですか?
基本的にデスクワークなので切り替える場所が必要でした。ノートPCさえあれば仕事はできるので、フリースペースでは会議したければすればいいですし、ランチをしてもいい、ひとりで仕事したければそれでもいい。オフィスパーティもここでやったりします。
このスペースがあることによって、リフレッシュも兼ねて自分のやりたい方法で仕事ができる。そのほうが集中できることもあるでしょう。例えば公園に本をもっていくこともあるじゃないですか。それと同じことです。実際、職場の近くに公園がありますが、ランチに行ったり、PCを持って仕事してる人も多いですよ。
私は社員には自主性をもって働いてほしい。「自主性に任せる」と口にするのは経営者にとって不安なこともあるかもしれません。でもそれは信頼関係次第ではないでしょうか。
例えば弊社はワーキングマザーもいます。突然早く帰らなくてはいけなくなった。でも、メールは見られますし、仕事はできます。男性でも、お子さんの体調が悪くなったとき、「妻が帰れないので、今日の残りの仕事は家のPCでやります」といって帰ることもある。在宅勤務している社員もいる。弊社はネットサービスの会社なので、社員同士のチャットがあって、スカイプで社員同士のグループができていたりするので、お互いがオンラインかどうかがすぐわかって、コミュニケーションがどこでもとれるようになっています。なので結構自由ですよ。ヘタすると私は24時間つかまってしまうので、気をつけないとと思うのですが(笑)
働く“場所”にこだわらない
―経営者としては働く場所が自由になると管理が大変になると思いますが?
社員を“管理”しているという意識はあまりありません。広島にも会社がありますし、海外出張も多いので、働く“場所”に関するこだわりが私自身はないんです。フリースペースにもモニターがあったと思うのですが、在宅の人や遠隔地にいる社員同士はテレビ会議でできますし、V-cube(スマホ・PCで使えるミーティング用ウェブクラウドサービス)も使っているのでスライドも共有できます。
私はIT黎明期からこの仕事をしています。なので(キャリアの)成長過程のなかでツールが揃っていたので、ハードルがありません。従来の仕事を変えてきたという意識が私たちにはありません。なぜなら、最初からインフラが整っていましたから。それが当たり前でした。もちろん会議も顔と顔を突き合わせてやったほうがいいこともあるかもしれません。でもオンラインで顔が見えれば充分だと思います。
―もともと整っていればいいですが、インフラがない企業がそういった形に“移行する”となると大変だと思います。必要なことは?
ベースに必要なのは信頼関係です。時間を守る、約束を守るという基本がみんなでできるチームであればそんなに難しいことではないような気がします。お互い様ですから。
どの企業もひとつひとつの小さなコミュニティの集合です。一緒に働いている仲間を小さなコミュニティの人間と考えることで、相手をより深くを知ることができます。小さなお子さんがいる、共働きである、介護をしている……などなど、社員同士がお互いの働く環境を知っているということは大事ですね。理解し合い、受容し合うということです。
Photo : Yusuke Miyake Illustration : Nao Sakamoto
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神原弥奈子/株式会社News2u(ニューズ・ツー・ユー) 代表取締役会長/ツネイシホールディングス株式会社 代表取締役専務
広島出身。学習院大学大学院修士課程修了。同年、ウェブサイト制作会社設立。黎明期のウェブに携わる。2001年、株式会社ニューズ・ツー・ユーを設立。ネットPR支援サービス「News2uリリース」や国内初のニュースリリースポータル「News2u.net」を提供。2010年には株式会社パンセ設立。2013年にツネイシホールディングス顧問、2014年に同社取締役に就任。2015年より現職。