ヘンリー王子、ダイアナ元妃の代わりにLGBTQの権利を守る賞を受けとる
生前、様々な人道活動に取り組んでいたことで知られるダイアナ元妃。その功績にある賞が贈られた。代わりに受け取ったヘンリー王子が、母の生き方を改めて語っている。
先週、ロンドンで開催された雑誌『アティテュード』のバージンホリデーアティテュードアワードの授賞式に現れたヘンリー王子。これはLGBTQの人々の権利のために活動した人に贈られる賞。ダイアナ元妃のHIV患者への貢献や病気に関する啓蒙活動を称え、レガシー賞が授与された。
亡き母の代わりに賞を受け取ったヘンリー王子。スピーチでは「1987年4月、母はまだ25歳でした。母は妃としての立場をどう生かすべきかを模索している最中でした。でも自分に対するスポットライトを生かし、見て見ぬふりをされがちな人たちを輝かせるという責任を感じていました」。
1987年4月とは、ダイアナ元妃がエイズ患者たちを見舞い、手袋をしないで握手をしたことが大きなニュースになったとき。それまで触れたり、近寄ったりしたら伝染する病気だと誤解されていたエイズ。この元妃の行動がきっかけで、正しい知識に人々が関心を持つようになっていった。王子は「母はエイズが多くの人にとって見て見ぬふりをしたいもの、克服できないように見えるものであることを知っていました。この比較的新しい病気に対する誤解が、同性愛に対する憎悪や嫌悪と混ざったとき、危険な状況を生み出すことを理解していました」「人々は病気になったというだけでコミュニティから、ときには家族からも排除されていました」と、元妃が啓蒙活動に取り組んでいた頃の状況を明らかに。
「だからカメラの前でエイズ患者の男性と握手をしたとき、彼女は自分が何をしているのか、しっかり理解していたのです」「母はウェールズ公妃、世界一有名な女性としての立場を生かしてみんなにこの病のことを教え、助けが必要な人を遠ざけるのではなく、思いやりを持って手を差し伸べる大切さを伝えようとしたのです」と元妃の活動の意義を語った。
ダイアナ元妃同様、チャリティ活動に取り組んでいるヘンリー王子。王子たちが現在取り組んでいるメンタルヘルスの分野も、病気に苦しむ人に対する偏見が残っている。自分の遺志を継いでくれた王子たちの活動をきっと元妃も喜んでいるはず。
text : Yoko Nagasaka