ジョディ・フォスター、「暴行された女性の脚本ばかりだった」
これまで4回アカデミー賞にノミネート、監督やプロデューサーとしても活躍しているジョディ・フォスター。これまで出演してきた作品を振り返り、衝撃的な告白をしている。
3歳でデビューして以来、途中大学に通うなど空白期間はあるものの、50年以上ショービズ界で生きてきたジョディ・フォスター。でもハリウッドにはジェンダーにまつわる偏見がこれまで以上に明確に表れていると語っている。
雑誌イギリス版『ハーパーズ バザー』のインタビューに答えたジョディ。「これまでたくさんの映画を作ってきたけれど、私は女性について、女性の目線で女性が描いた作品に出演したことがない」と衝撃的なコメント。「最近、口にしていることなのだけれど私の人生において15年か20年くらい、読む脚本がレイプされたり子どものときに虐待されたりした女性のキャラクターがそれを行動の原動力にしている物語ばかりだったりした時期がある」とも。
「それが意図的なものだとは思わない。でも『その行動に意味があると感じさせるようなものとして私は何をその女性に与えることができる? ああ、そうね、彼女は子どもの頃にレイプされたんだった』って感じに思っていた。私たちが何か深い感情を持つものとして、彼らが考えられるのはそのことだけなの?」。
つまり女性が行動を起こすきっかけとして男性監督や脚本家たちが思いつくのは性的暴行だけだったということ。アカデミー賞を2回受賞、才女にして名優のジョディのところに来る脚本でさえ、そんな偏見に満ちているとは……。性的暴力が日常化し、隠蔽されてきたことが明らかになっているハリウッド。作品の中に潜む偏見もこれから変わっていくのか、見守っていきたい。
text : Yoko Nagasaka