スカヨハの魅力が炸裂!実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』
スカーレット・ヨハンソンと言えば、子役からスターダムを駆け上がり、セクシーな魅力と演技力を兼ね備えた、ハリウッドでも唯一無二な存在。近年は、『アベンジャーズ』(12)シリーズのブラック・ウィドウ役や、『LUCY/ルーシー』(14)などで“アクションもこなす女優”という印象がある。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』の少佐役は、ボディラインが露わになりながらアクションを行う点においても、彼女の魅力を最大限引き出している。一方で、白人であるスカーレット・ヨハンソンがヒロイン(アニメ版では“草薙素子”という日本人)を演じることに、ファンからの異論があるのも事実。しかし、その設定を逆手に取った、あっと驚く仕掛けが成されている点も実は見どころなのである。
コンピューターに人体を接続することで、統一したシステムをコントロールする“電脳”を描いた『攻殻機動隊』。インターネットの発達した現代では、そのメカニズムを説明する必要もないのだが、映画が公開された1995年当時、それは先駆的な表現だった。
インターネットの普及、特に通信速度がナローバンドからブロードバンドへと移行し、高速通信が謳い文句になったのは2000年代になってからのことである。電脳世界での仮想現実(バーチャル)が現実の世界(リアル)と区別がつき難くなるという設定は、未だ見ぬ未来を予見したものだった。そういう意味では、2017年になって実写映画化されたことで、『攻殻機動隊』の描く世界がより多くの観客に理解される時代になったということでもあるのだ。
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『ゴースト・イン・ザ・シェル』
大事故から生還した少佐は、脳と脊髄の一部を除いて義体のサイボーグ化された最強戦士に生まれ変わる。彼女はエリート捜査組織・公安9課のリーダーとして、脳をハッキングして人間を操作するサイバーテロ犯罪組織を追っていた。捜査を進める中、彼女は自身の記憶も操作されたものではないかと次第に疑念を抱くようになるのだが…。押井守監督の長編アニメーションをハリウッドで実写映画化。スカーレット・ヨハンソンがヒロインを演じるほか、日本からはビートたけし、桃井かおり、福島リラも出演している。
Text: Takeo Matsuzaki
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松崎健夫(まつざき・たけお)
映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。