トランスジェンダー歌手が主演の外国語映画賞『ナチュラル・ウーマン』
もう1本はチリ代表で外国語映画賞にノミネートされている『ナチュラルウーマン』。『グロリアの青春』のセバスティアン・レリオ監督の新作。
ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っている歌手のマリーナは、父親ほど年の離れた恋人オランドと一緒に暮らしていたが、ある日、彼は倒れ、そのまま病院で亡くなってしまう。
恋人の急逝というショックから立ち直る暇もなく、マリーナは警察からの執拗な詮索を受け、元妻や息子たちから冷たい視線や罵声を浴びせかけられる。その一番の理由は、マリーナがトランスジェンダーだからに他ならない……。偏見や差別。愛する人のぬくもりで霞んでいた世間の冷たさが容赦なくマリーナに襲いかかる。
突然の逆境に打ちのめされながらも、最愛の人に別れを告げ、女性として生きていく決心をするマリーナを、自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ベガが熱演している。
プロデュースを手がけたのは、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(16年)のパブロ・ラライン。勢いのあるチリ映画からは今後も目が離せない!
Text: Atsuko Tatsuta
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『ビック・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』現在公開中
http://gaga.ne.jp/bigsick/index.html『ナチュラルウーマン』現在公開中
http://naturalwoman-movie.com/