6人の女たちが愛した名品フレグランス
ココ・シャネル、オードリー・ヘップバーン、グレース・ケリー……。今もなお愛されるセレブたちが、プライベートで愛用していたフレグランスから透けて見えるのは、大事にしていた美意識とセンス。彼女たちのスタイル(生き方)とフレグランスの関係とは? 香りにまつわる逸話とともにお届け。
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“完璧”な美学と革新を起こした伝説のデザイナー/ココ・シャネル
「バラやスズランの香りは嫌。もっと複雑な香りがいいの」――徹底して“スタイル”を追求するココ・シャネルは、自然にある花々の香りではなく、あえて人の手が施された、新しい香りを求めたという。そしてクチュールのドレスを作るように、彼女はブランド初となる香水を完成させた。その香りの名は、“シャネル N°5”。ココ自身が愛用していただけでなく、マリリン・モンローをはじめとする多くの女性たちが魅了されてきた、言わずと知れた名品だ。
香水は、そのブランドの女性像を特徴づける最後のスパイスでもある。ココ・シャネルの徹底した美学が投影されたこの香りをまとうことで、女性たちは「シャネル」のスタイルが紡ぎだすエレガンスを体現することができるのだ。
photo: CHIFUYU AIZAWA/Q'S (still life) AFLO (celeb,p3,5,6) GETTY IMAGES(celeb,p4) realization: YUMI JIBIKI/STYLE ET PARFUM