それでもサーフィンに惹かれる理由
―以前は、サーフィンによって肌トラブルや体調不良で悩んだ時期もあったんですよね。それでも「やっぱりサーフィンを続けたい!」と魅了される理由は何でしょう?
「うまく言えないんですけど、自然のなかにいると「これはお金じゃ買えないな」って思える瞬間があるんです。サーフィンをしていて、夕日がきれいな海のなかにたったひとりで……っていう瞬間に出会ったりすると、「幸せってお金で買うものじゃないんだ」って、当たり前なんだけど実感することがあって。気持ちが満たされる感じがするんですよね。
海と空だけが続く景色だったり、水の中に浮いている感覚、波に乗っている感覚……。本当にアドレナリンが出ちゃうんですよ。それがあるから、止められないなぁって思うんです。だから、スポーツとして体を引き締めたいからっていう意味でサーフィンをしたことはなくて、メンタル的な部分で続けているんだと思いますね。ライフスタイルの一部、という感じです」
―サーフィンをすることで、気持ちがリリースされるというか。心が癒されるから続けていらっしゃるんですね。サーフィンが、仕事によい影響を与えることもあるんですか?
「実は、よい波に乗れたから仕事がうまくいく、ということはあまりないんです。むしろ、仕事に集中できなくなっちゃう。「あぁ、いい波だったな~」って仕事中に思い出したりしてしまって(笑)。ナチュラルハイな状態になってしまうんですよね。
でも、サーフィンの経験で得たことは、良いことも悪いことも、仕事に関係していると思います。服作りにおいて、生産工程であったり、素材やそこで働く人たちのことを考えるようになったり。ゴミを出さないようにしたいとか、自分の国でモノ作りがしたいとか。サーフィンのなかで学んだ自然に対する考え方が、ナチュラルなモノ作りの姿勢に影響を与えているのかな、と。そういう意味で、サーフィンと仕事は関わりあっているように思いますね」
photo : Yoko Yamashita(p1,5~7), Mariko Hayashi(p2~4)
special thanks to Ron Herman
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