特集 2016/4/18(月)
世界のおやつfrom Helsinki/歌野嘉子

ドーナツ? 揚げバン? いいえ、ムンッキです! フィンランドの春スイーツをどうぞ

季節に寄り添う北欧の暮らしには、まだまだ世界に知られていないスイーツがたくさん。おいしいもの大好きな現地コーディネーターが、四季折々にご紹介します。今回は、懐かしさすら漂う素朴なムンッキ。 老いも若きも揃ってフィンランドの人々が大好きな味で、これがなくては春が始まらない季節のスイーツです。

フィンランドの人々がソワソワし始めました。5月1日のヴァップ(Vappu)、いわゆるメーデーが近づいてきたからです。労働者の権利を見直す本来の目的と同じくらい大切にされているこの日の意義は、春の到来を祝うこと。長く暗い冬を乗り越えたご褒美と言わんばかりに、ヴァップイヴとヴァップ当日は国民総出で浮かれるのです。

春のお祝い、ヴァップに欠かせないスイーツといえば、ムンッキ(munkki)。ムンッキという呼称はスウェーデン、フィンランドだけの独特なものだそう。スウェーデンの文献によると、ムンッキの起源は僧侶(=スウェーデン語でmunk)なんですって! 油でぷくぷくに揚げたこのスイーツが、なんと「ぶよぶよに太った僧侶」に似ているということでムンッキと呼ばれるようになったとか。感覚的には、ドーナツに似ているムンッキ。そのまま「ドーナツ」と翻訳されることもあるのですが、フィンランドの人々に言わせるとムンッキとドーナツの間には明らかな違いがある模様。しっかり発酵させた生地はもちっとしていて、確かにドーナツとは違います。
 
このムンッキで「フィンランドNo.1」と噂されるカフェが、第3の都市と呼ばれるタンペレにありました。フィンランドからは約180km離れた街です。

カフェは、1920年代に建てられたピューニッキ展望台に併設されていました。市内中心部から少し離れた丘の上にある展望台は、地元の人々のお散歩&ジョギングコースになっているようです。で、早速の名物ムンッキ(2ユーロ)を。訪れる人が必ず注文するため、すごい回転率でいつも揚げたてが食べられる状態です。ひと口かじって、その香りにびっくり! 生地にたっぷり練り込まれた粗挽きカルダモンが効いていて確かにかなり美味です。大きめなので全部食べられるか心配でしたが、あっさりひとつ完食してしまいました。カルダモンはシナモンロールなどにも使用されるフレーバー。フィンランドの人々にとってはソウルスパイスと言えます。これもドーナツとムンッキの違いなのでしょうね。
 
>>次ページでは、発展系ムンッキをご紹介!

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  • Pyynikin Näkötornin Kahvila(ピューニキン・ナコトルニン・カハヴィラ)
    Näkötornintie 20, 33230 Tampere
    tel. +358 3 212 3247
    営業時間/9:00~20:00 
    ※夏季は~21:00 夏至とクリスマスは変更あり
    http://www.munkkikahvila.net/
     
    Arnolds Forum Helsinki(アーノルド Forum Helsinki店)
    Mannerheimintie 20, 00100 Helsinkitel.
    tel. +358 4 6922 8226
    営業時間/9:00~20:00 土曜10:00~18:00 日曜12:00~18:00
    ※ヘルシンキ市内に4店舗、その他都市にも店舗あり
    http://arnolds.fi
     
    K.E. Avikainen(K.E.アヴィカイネン)
    Franzeninkatu 10, 00500 Helsinki FINLAND
    tel. +358 9 719 719
    営業時間/9:00~17:00
    定休日/土・日曜

  • 歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
    http://www.officeutano.fi

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