4日目の師匠、「La Halle」のマリー・カプマルタン シェフに習う郷土料理
美食家にして料理名人、画家ロートレックの料理を知る
今回の旅で出会った唯一の女性シェフ、マリーさんは、トゥールーズ郊外のガイヤックにある「La Halle au Terroir」という食材店のキッチンスタジオで、一般の人向けに料理を教えている。レパートリーは郷土料理からフランスのお惣菜など幅広いが、今回は、アルビ出身で美食家としても有名なアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックが残したレシピの中から、作りやすいものをピックアップして教えてくれた。
「ロートレックは美食家であり、同時にとても優秀な料理人だったそうです。彼は、親友でよき理解者だったモーリス・ジュワイヤンにレシピをたくさん残し、それが一冊の本になっているんですよ」。この日に紹介してくれたのは、オニオン・グラタン・スープとソーセージのブロシェット。「それに、この地方のお菓子、クロカン・ド・コルドも紹介します」。マリーさんは英語も堪能で、クラスでは受講者の希望によって英語でレッスンすることも。「レシピも、フランス語と英語で用意しています。多分……もうすぐ日本語も! ロートレックのファンは日本にも多いようで、ここまで来てくれる方もいるんですよ」
オニオン・グラタン・スープは意外に簡単。スライスした玉ねぎをバターとローリエで炒め、小麦粉を加える。ブイヨンで少しずつのばし、塩、こしょうで味を調えて少し煮詰める。小さなココットにチーズと黒こしょうを入れ、かりかりにやいたバゲットをのせて玉ねぎスープを注ぎ、バゲットが浮いて来たらさらに上にチーズをのせてオーブンでこんがり焼く。「これはぜひアツアツで食べてくださいね!」
郷土菓子、クロカン・ド・コルドは、「一緒に作りましょう!」というマリーさんの提案で、口尾さんも参加。「混ぜるだけの簡単なお菓子だから、きっとすぐマスターできるはず」という言葉通り、本当にシンプルな作り方だ。「分量も覚えやすんですよ。卵白1個、砂糖115g、小麦粉30g、砕いたアーモンド60g、以上。これを混ぜ合わせてスプーンで天板に落としたら、あとは200℃で色づくまで焼くだけ」。こんなに簡単でいいの!? と思うほどだが、仕上がりは上々。「おいしい! カリッカリの食感がとてもいいです。ナッツの香ばしさも加わって、止まらなくなりそう」と、口尾さん。「定番レシピにしたいです!」
ソーセージのソテーは、バターで炒めたソーセージとりんごを串にさしてサーブ。「オニオン・グラタン・スープもソーセージも、レシピはほぼ充実にロートレックのものを再現していますが、プレゼンテーションは私流」。この地方の産物でもあるスレート板に素敵に盛りつけてくれた。「この串は手作りなの。針金を曲げただけなんですが、ちょっと面白いでしょう?」
お茶目なマリーさんのクラスは、インターネットからも申し込み可能。「マリーさんのお料理は簡単でおいしいし、食材店も、この地方の特産物やワインなど、面白いものがたくさん。また来たいです」と、口尾さん。ミディ・ピレネーでちょっと時間があるなら、ぜひ寄ってみて。
>>最後は、トゥールーズのシェフに習う、あの料理が!
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photos : Yukako Hiramatsu cooperation : Asami Kuchio , Atout France, CRT Midi-Pyrénées, OT Toulouse, CDT Tarn, Air France, CDT Aveyron