市民の台所、市場へ!
食いしん坊旅ではぜったいはずせないのが、市場見学。カウナスには青空市場があり、生産者が直接車でやってきて、ご自慢(?)の商品を並べている。
まぶしいくらいの鮮やかな花が色とりどり。ビビッドな色に吸い寄せられるように人が集まる。
リトアニアは、料理にお茶に、よくハーブを使うので、市場には必ずと言っていいほどハーブが並んでいる。どれも、いま畑から取ってきたような新鮮さで、あたりにいい香りを漂わせている。フレッシュなグリーンは、見ているだけで元気になりそう。
大きなかぼちゃやはちみつ、それに自家製のハーブティーを売るご夫婦。「どこから来たの? 日本? あらまあ、ずいぶん遠いところからようこそ。ハーブティーは軽いし長持ちするから、お土産にもいいですよ」。ミントやカモミールなど、なじみのあるものも多いが、初めて聞く名前も。「ハーブティーは私たちの必需品よ。元気の素ね!」とマダム。
パンやスイーツもたくさん。左は、リトアニアの名物スイーツ、シャコティス。ドイツのバウムクーヘンやフランスのガトーピレネーとよく似ているが、とげとげした形がユニーク。街のお菓子屋さんや空港にも売っているけれど、「ここのは手作りだから、絶対においしいわよ」と店の人は自慢げ。クッキーやケーキも、ほとんどが手作り。あれもこれもと目移りしちゃう!
「どう、ちょっと味見していかないかい?」と声をかけられて振り向くと、笑顔満面のおじさんが。「カッテージチーズの燻製だよ。これだけでビールがおいしくなるから、ひとつどう?」。カッテージチーズと言っても、日本で売っているものとは少し違う。しっかりと固まっていて、しずく形をしているのが特徴だ。白いものが多いが、こちらはそのカッテージチーズにスモークをかけているのだという。そこらじゅうにスモークのいい香りが立ちこめて、これは食べずにいられない。「どうぞどうぞ、好きなだけ食べて」。これだから、市場はやめられない!
photos : Yukako Hiramatsu cooperation : Republic of Lithuania State Department of Tourism special thanks : Asami Kuchio
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※1ユーロ=約122円(2017年1月現在)