特集 2016/12/30(金)
ブームの仕掛け人が語る、「トレンド・フード」の作り方

ネクスト・トレンドはこれだ! 「ミニベーグル」をめぐるサクセス・ストーリー

わずか4年で全米中を席巻した話題のベーカリー「バンタム・ベーグルズ」をご存じ? 創設者のカップルが会社を辞めてまで作りたかったミリオンセラーの新ベーグル「ミニベーグル」とは? そして、その誕生秘話をお届け!

「バンタム・ベーグルズ」の創設者は、ニック・オレクサックさんと妻エリスさん。ある夜、ニックさんは、“クリームチーズが詰まったミニサイズのベーグル”の夢を見たそう。「なぜ今まで世の中になかったのか不思議に思うような、すごくシンプルで素晴らしいアイデアだった」と、ニックさん。ふたりはさっそく翌日から、試作品作りをスタート。「ベーグルの作り方さえ知らなかった僕たちは、まず“ベーグルの作り方”でグーグル検索をかけたよ」とニックさん。仕事が終わると、毎晩ブルックリンの自宅キッチンのすべてを使って(生地を寝かす場所は主に洗濯室)、いろいろなベーグルのレシピに挑戦。ようやく納得のいくレシピにたどり着いた後、大量に試作して友達や親戚、同僚に意見を求め、べた褒めコメントをもらえるまで続けたという。

そして、ついに“おいしいベーグルと言えばニューヨーク”、という信頼と客足の多さから、マンハッタンのブリーカー・ストリート近くに店を構えたオレクサック夫婦。そこは両手を広げれば壁に手が届くほど狭い店で、オーブンを置く場所もやっとのサイズ。「なぜ小売店から始めるのか? とよく聞かれたよ。でも僕たちにとって、このビジネスに見通しがあるかどうかを試すには、店を出す以外に道はなかったんだ」と、ニックさん。「ニューヨークで成功したら、どこでもやっていけると思ったわ」と、エリスさんも続ける。

エリスさんは、フルタイムで自分たちのビジネスに集中するため、世界有数の証券会社「モルガン・スタンレー」の仕事を辞めた。ニックさんは、エリスさんが妊娠中だったので、ビジネスが軌道に乗るには安定した収入源が必要だと思い、まだファイナンスの仕事を続けていたそうだ。とはいえ、彼がベーグル業への努力を怠ったかと言えば、まったくそんなことはない。
「僕は朝の3時から6時、夜の6時から9時まで店で働いていました。休むことなく、電気はつけっぱなし。ベーグルを届けるためにロングアイランドまでトラックも運転したよ。まったく異常だった」と、ニックさん。1日に1,000~2,000個のミニベーグルを作る毎日だったが、店をオープンしてからわずか4ヶ月後、アメリカの24時間テレビショッピングチャンネル『QVC』へたった5分間出演するやいなや、1日に10万個ものベーグルが売れることに! 「やらないなんていう選択肢はなかったんです。だって私たちにとって初めてのビッグチャンスだったから」と、エリスさん。それ以降、何日もオーブンをつけっぱなしにする日々が続いたという。

 

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original text: Candace Braun Davison  translation: Mayu Nakanishi instgram : @bantambagels

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