エディターズPICK
2017/03/03(金)

ドキッ! 下着だらけのミュージアム:「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」展

1月パリで「パリ国際ランジェリー展」が開かれたいっぽう、ロンドンではランジェリーの歴史展が開催中。ヴィクトリア&アルバート博物館で18世紀から現在までのアンダーウエアの歴史に焦点をあてた「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」が話題に。「理想の身体とは何か」や「下着とファッションの関係」などを切り口に、18世紀に手作りされた下着をはじめ、様々な形のコルセット、コンテンポラリー・デザイナーたちのコレクションを含め、およそ200点以上の下着が展示されている。知っているようで実は知らない、「アンダーウエア・ワールド」へ、ようこそ。

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主張する現代の下着。進化し続けるアンダーウエア

20世紀に入ると、多くのファッション・デザイナーが下着にインスパイアされた。身体が持つ「フィジカル」で「文化的」な要素、「プライベート」と「パブリック」の境界線について問いかけるデザインが多く発表される。イギリス人デザイナーのアントニオ・ベラルディは、コルセットのトロンプ・ルイユをモチーフにしたドレスをデザイン。

イギリスの下着メーカー「エージェント・プロボケーター」のSS15コレクションである「Tamila」シリーズ。セクシーなランジェリーをベースに、ホルターネックのデザインを取り入れ、「アンダーウエア」と「アウターウエア」という2つの相反する要素をミックスしたコレクションとして注目を集めた。

‘Tamila’ lingerie set from the Agent Provocateur Soirée collection, S/S 2015 Photographer: Sebastian Faena, Model: Eniko Mihalik

20世紀後半のロンドンのクラブシーンでは、「ヌーディティ」、「セクシャリティ」や「ジェンダー」を問いかけるため、わざと下着を見えるようにつけた、パンクな若者たちであふれた。また、下着はアウター要素を取り入れたものが発売されるようになる。イギリスの下着メーカー「エージェント・プロボケーター」は、挑発的なセンシュアルなデザインをベースに、ホルターネックという洋服の要素を取り入れたコレクションで、注目を集めた。こうして下着は、「アンダーウエア」というカテゴリーを超えて、進化し続けている。

女優グウィネス・パルトローが着用しているのは、アントニオ・ベラルディーがデザインしたコルセットのトロンプ・ルイユをモチーフにしたドレス。

Trompe l’oeil corset dress, designed by Antonio Berardi, S/S 2009 Worn by Gwyneth Paltrow © Sipa Press/ REX Shutterstock

Text : Kiyoko Matsushita

  • ヴィクトリア&アルバート博物館『アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア』展

    1852年に設立された、装飾アートやデザインなどを扱うロンドンで最大級の博物館。絵画、彫刻、宝石、衣装など、古代から現代までおよそ5,000年間に及ぶアートが400万点ほど展示されている。『アン・ドレスド』展の会期は2017年3月12日まで。美しい中庭にはカフェが併設されていて、入場料と常設展の見学は無料。サウス・ケンジントン駅から徒歩5分。

    Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL

    公式HP/ https://www.vam.ac.uk/

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