ドキッ! 下着だらけのミュージアム:「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」展
1月パリで「パリ国際ランジェリー展」が開かれたいっぽう、ロンドンではランジェリーの歴史展が開催中。ヴィクトリア&アルバート博物館で18世紀から現在までのアンダーウエアの歴史に焦点をあてた「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」が話題に。「理想の身体とは何か」や「下着とファッションの関係」などを切り口に、18世紀に手作りされた下着をはじめ、様々な形のコルセット、コンテンポラリー・デザイナーたちのコレクションを含め、およそ200点以上の下着が展示されている。知っているようで実は知らない、「アンダーウエア・ワールド」へ、ようこそ。
主張する現代の下着。進化し続けるアンダーウエア
20世紀に入ると、多くのファッション・デザイナーが下着にインスパイアされた。身体が持つ「フィジカル」で「文化的」な要素、「プライベート」と「パブリック」の境界線について問いかけるデザインが多く発表される。イギリス人デザイナーのアントニオ・ベラルディは、コルセットのトロンプ・ルイユをモチーフにしたドレスをデザイン。
20世紀後半のロンドンのクラブシーンでは、「ヌーディティ」、「セクシャリティ」や「ジェンダー」を問いかけるため、わざと下着を見えるようにつけた、パンクな若者たちであふれた。また、下着はアウター要素を取り入れたものが発売されるようになる。イギリスの下着メーカー「エージェント・プロボケーター」は、挑発的なセンシュアルなデザインをベースに、ホルターネックという洋服の要素を取り入れたコレクションで、注目を集めた。こうして下着は、「アンダーウエア」というカテゴリーを超えて、進化し続けている。
Text : Kiyoko Matsushita
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ヴィクトリア&アルバート博物館『アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア』展
1852年に設立された、装飾アートやデザインなどを扱うロンドンで最大級の博物館。絵画、彫刻、宝石、衣装など、古代から現代までおよそ5,000年間に及ぶアートが400万点ほど展示されている。『アン・ドレスド』展の会期は2017年3月12日まで。美しい中庭にはカフェが併設されていて、入場料と常設展の見学は無料。サウス・ケンジントン駅から徒歩5分。
Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL
公式HP/ https://www.vam.ac.uk/