エディターズPICK
2017/03/03(金)

ドキッ! 下着だらけのミュージアム:「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」展

1月パリで「パリ国際ランジェリー展」が開かれたいっぽう、ロンドンではランジェリーの歴史展が開催中。ヴィクトリア&アルバート博物館で18世紀から現在までのアンダーウエアの歴史に焦点をあてた「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」が話題に。「理想の身体とは何か」や「下着とファッションの関係」などを切り口に、18世紀に手作りされた下着をはじめ、様々な形のコルセット、コンテンポラリー・デザイナーたちのコレクションを含め、およそ200点以上の下着が展示されている。知っているようで実は知らない、「アンダーウエア・ワールド」へ、ようこそ。

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19世紀末の女性の極細な腰を演出したコルセット。下着そのものの造形美が楽しめる。これは1890-1895年頃のモノで、シルクサテン、レース、クジラのひげ、スチールの留め具、メタルの鳩目で出来ている。

Silk satin, lace and whalebone corset © 1890-5, Victoria and Albert Museum, London

世紀末、理想のボディを追求した女性たち

いつの時代でも、体のコンプレックスをカバーして、美しくファッションを着こなすため、下着は重要な役割を果たしている。コルセットやペチコートは19世紀の女性に愛用され、理想のボディラインを創り出すためのアンダーウエアとして、様々な種類が登場。

1871年にプリンセス・ルイーズが着用していた特別なペチコート。スチールのフレームとリネンで出来たこの籠形のペチコートは、当時大流行したボリューミーなスカートを創り出すための必需品だったとか。以前よりはましになっているとはいえ、かつては「美」の基準に沿うため女性の身体を下着という枠の中にはめ込んでいたことがよくわかる。

Cage crinoline, the ‘Princess Louise Jupon Patent’ © 1871, Victoria and Albert Museum, London

英国のプリンセス・ルイーズは、1870年代に大流行したボリューミーなスカートを履きこなすため、スチールのフレームとリネンでできた籠形のペチコートを愛用した。極細な腰を演出するため、19世紀にはサポート・補正効果がより期待出来る、くじらのひげやスチールの留め具などを使ったコルセットも開発された。あまりにもストイックにボディラインを追求するあまり、内蔵の位置がずれてしまい通院する女性も出現したという。

ベルリン生まれのデザイナー、ハンス・シュレーガーが1936年にイギリスのコルセット会社のために制作した宣伝用ポスター。

Silk satin, lace and whalebone corset © 1890–5, Victoria and Albert Museum, London

Text : Kiyoko Matsushita

  • ヴィクトリア&アルバート博物館『アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア』展

    1852年に設立された、装飾アートやデザインなどを扱うロンドンで最大級の博物館。絵画、彫刻、宝石、衣装など、古代から現代までおよそ5,000年間に及ぶアートが400万点ほど展示されている。『アン・ドレスド』展の会期は2017年3月12日まで。美しい中庭にはカフェが併設されていて、入場料と常設展の見学は無料。サウス・ケンジントン駅から徒歩5分。

    Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL

    公式HP/ https://www.vam.ac.uk/

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