ドキッ! 下着だらけのミュージアム:「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」展
1月パリで「パリ国際ランジェリー展」が開かれたいっぽう、ロンドンではランジェリーの歴史展が開催中。ヴィクトリア&アルバート博物館で18世紀から現在までのアンダーウエアの歴史に焦点をあてた「アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア」が話題に。「理想の身体とは何か」や「下着とファッションの関係」などを切り口に、18世紀に手作りされた下着をはじめ、様々な形のコルセット、コンテンポラリー・デザイナーたちのコレクションを含め、およそ200点以上の下着が展示されている。知っているようで実は知らない、「アンダーウエア・ワールド」へ、ようこそ。
世紀末、理想のボディを追求した女性たち
いつの時代でも、体のコンプレックスをカバーして、美しくファッションを着こなすため、下着は重要な役割を果たしている。コルセットやペチコートは19世紀の女性に愛用され、理想のボディラインを創り出すためのアンダーウエアとして、様々な種類が登場。
英国のプリンセス・ルイーズは、1870年代に大流行したボリューミーなスカートを履きこなすため、スチールのフレームとリネンでできた籠形のペチコートを愛用した。極細な腰を演出するため、19世紀にはサポート・補正効果がより期待出来る、くじらのひげやスチールの留め具などを使ったコルセットも開発された。あまりにもストイックにボディラインを追求するあまり、内蔵の位置がずれてしまい通院する女性も出現したという。
Text : Kiyoko Matsushita
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ヴィクトリア&アルバート博物館『アン・ドレスド:ヒストリー・オブ・アンダーウエア』展
1852年に設立された、装飾アートやデザインなどを扱うロンドンで最大級の博物館。絵画、彫刻、宝石、衣装など、古代から現代までおよそ5,000年間に及ぶアートが400万点ほど展示されている。『アン・ドレスド』展の会期は2017年3月12日まで。美しい中庭にはカフェが併設されていて、入場料と常設展の見学は無料。サウス・ケンジントン駅から徒歩5分。
Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL
公式HP/ https://www.vam.ac.uk/