“ブサイク”がモデルに。多様化する男性モデル界が突きつける「男の客体化」
イケメンもいろいろ。男性モデル界にダイバーシティの波が押し寄せ、これまでそモデル業界から排除されてきた人たちが認められるようになってきた。そこで、今人気のニュータイプの男性モデルたちを調査。同時に、この現象がストレート男性たちに突きつけるメッセージを分析。「男性諸君、あなたは他人の眼差しに耐えられている?」
男性が大々的に「観賞される」時代の到来
このように男性モデルに多様性の波が押し寄せている背景には、男性たち、とくにストレート男性たちが多くの人に“鑑賞される”ことになれてきたからのように思われる。SNSがここまで発達した今、段々とストレート男性たちも見られることに価値を見出し、評価され、見た目に個性を見出す術に長けてきた。その証拠に、ここ何年か海外で話題沸騰し、ゲイだけでなくストレート女性に向けて増えているのが「イケメン」コンテンツ。「hotdude~」や「menand~」から始まるような人気イケメンアカウントが探せばあることあること……。
まずは読書するイケメン。イケメンサーチセントラル元祖のアカウント。なんと、今度出版され、本になるとか。
これは「イケメンとコーヒー」。組み合わせに意味などない感じ。
犬とイケメン
そして最近日本でも頭数が犬と逆転した猫とイケメンに限っては複数存在
米国「バズフィード」に至っては、メールを登録すると毎日ひとりのイケメン画像に独特の妄想ポエムを添えたニュースレターが送られてくる。
基本的に男性鑑賞用人気アカウントは、自らをSNS上に晒した画像のキュレーション。もちろんこっそり撮られた盗撮まがいのものも見られるけれど、冒頭の「イケメンが読書」が出版されるので、まともに考えたら登場する人たちの著作権許可をとっているということになる。つまるところ、自分のことを見てほしいと思っている男性がそれだけ多くいる証拠。それでも、「男性を鑑賞対象にすることは何事か!」と批判的な人もいる。
Text : Ryoko Tsukada