エディターズPICK
2016/08/31(水)

パリ発、クチュールウィークに咲き誇るスーパーハイジュエリー

1月、7月の年2回開催されるオートクチュールウィークは、モードの祭典であるだけでなく、今やハイジュエリーの発表の場として注目度急上昇中。2016年の今年は13ものブランドが参加。目立ったトレンドをキーワード別に、その全貌をご紹介!

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早春に芽吹いた若い麦を胸もとに。“プルミエール ブラン”ブローチ(WG×ダイヤ)/シャネル

[1]BOTANICAL/自然に根ざした花や葉

CHANEL シャネル

ガブリエル シャネルが愛した麦のモチーフ

今回の新作“レ ブレ ドゥ シャネル”コレクションは、新しくなったホテル・リッツ・パリの「ココ シャネル スイート」で、本物の麦とともに展示され、訪れたファッションピープルを驚かせた。リッツがあるヴァンドーム広場も、まるで麦畑のよう。ガブリエル シャネルにとってのラッキーモチーフで、繁栄のシンボルでもある麦の穂を使って、アートなインスタレーションが行われたのだ。かつて彼女が暮らしたカンボン通りのアパルトマンや、ラパウザの邸宅、リッツのスイートルームにも、さまざまな形で麦のモチーフが飾られていたという。豊かに実った麦の穂は、すこやかな恵みの象徴。身につける人にとって、このジュエリーは幸運を運ぶ最強のお守りになるはずだ。

オークの葉をかたどった“Promesse de l'aube”イヤリング(WG×ダイヤ×パライバ風トルマリン×ピンクトルマリン×マンダリンガーネット)/ショーメ

CHAUMET ショーメ

自然の美しさをそのままジュエリーに

皇帝ナポレオンの信頼を得て、皇妃ジョセフィーヌや皇妃マリー・ルイーズのためにジュエリーを作り続けた「ショーメ」。そのアーカイブに残るヒストリカルなジュエリーにインスパイアされて産まれたのが、新作“La Nature de Chaumet”。豊穣を意味する麦の穂のモチーフ、ギリシャ神話のゼウス神を表すオークの葉など、メゾンが得意としてきた自然モチーフが、モダンな感覚で蘇った。さらにとびきり稀少性の高いジェムストーンもふんだんにあしらっていることから、クチュールウィークを訪れた人々の話題をすっかりさらってしまったほど。このイヤリングにも、アフリカのモザンビークで採れたプレシャスな大粒トルマリンがセットされている。

彫刻されたエメラルドで花束を模した“ブーケ エメラルド”クリップ(WG×YG×ダイヤ×エメラルド×クリソプレーズ)/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

VAN CLEEF & ARPELS ヴァン クリーフ&アーペル

最高級のエメラルドを大胆にフィーチャー

今回、「ヴァン クリーフ&アーペル」がテーマとして取り上げたのは、エメラルド。“エメラルド アン マジェステ”コレクションでは、メゾンの宝石鑑定士が1400カラットものエメラルドを選り分け、透明度の高い鮮やかなグリーンの石だけを厳選。コロンビアやザンビアのエメラルド鉱山からの石、古いアンティークから取り外された石など、極めて稀少性の高いものだけで構成されているというから、本当に驚き。メゾンはこれまでにイラン王室、エジプト王室、ウィンザー公爵夫人、マハラジャの妃のためにエメラルドジュエリーを制作してきた実力をもっている。そうした経験を生かし、エメラルドの魅力を最大限に引き出したのが、今回のコレクションのポイントだ。

虹色に光るオパールを花びらに見立てた“バーグ フルール トルマリン”リング(WG×DIA×インディゴライトトルマリン×オパール)/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン

インパクトたっぷりのモノグラムフラワー

「ルイ・ヴィトン」の展示会は、ヴァンドーム広場にあるファインジュエリーブティックのとあるフロアで、シークレットに行われた。アイコン的存在のモノグラム フラワーをさまざまなデザインにアレンジして取り込んでいるから、ひと目で「ルイ・ヴィトン」のジュエリーとわかる存在感のあるものになっているのが特徴。今回の“Blossom”コレクションでは、モノグラム フラワーが立体的になり、幾何学的になり、ときにはトロンプルイユ(だまし絵)を思わせる造形で、巧みなバリエーションを展開する。大粒のオパールや色鮮やかなトルマリンなど、稀少なジェムストーンばかりを厳選したこだわりぶりからも、このメゾンのジュエリーのレベルの高さが伝わってくる。

Text : Keiko Honma

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