「サンローラン」が一石投じた“オートクチュール・デモクラシー”
2015/10/16(金)
> <

1/3

ELLE exclusive

Photo : Hedi Slimane 

オートクチュールは“民主化”の時代

ファッションファンが沸いた「サンローラン」のオートクチュールへの復活。皆が待ちかねていた復活劇は、モード誌だけでなく、他のメディアでも大きく取り上げられるほど話題になったことに「なぜ?」と首をかしげた人もいるはず。ここにはファッションの歴史と、エディ・スリマンが一石投じた“ファッションのあり方”が背景にありそう。

(左) 「メゾン マルジェラ」 (右) 「ヴィクター & ロルフ」2015秋オートクチュールコレクション

Photo : Getty Images

仏『ル・モンド』紙2015年9月7日付のサイトにこんな見出しが掲載された。「オートクチュールのイメージがつくるデモクラシー」。
 
以前は閉ざされた空間で、限られた人にしか披露されなかったオートクチュールが、今はコレクションランウェイをネット配信することで全世界、誰でも見られるようになった。それはかつて各ブランドが、自分たちのもつスピリットをより多くの人に広めたいという願ったことによるもの。オートクチュールは、そのブランドがもつ最高峰の技術を駆使してできあがるアート作品であり、つまりブランドのエッセンスを凝縮させたもの。だからこそ、誰でもがアクセスできるネット上で公開することで、メゾンが本来持ちあわせている美意識やファッションへの向き合い方を、より多くの人に知ってもらえるのだ。加えて、「ヴィクター&ロルフ」や、ジョン・ガリアーノがディレクターに就任した「メゾン マルジェラ」などはアート性が強いものの、ひとつひとつのアイテムは、実際に着ることができるデザインで作られている。これはオートクチュールの民主化である―――。
 
以上のような分析が記事の概要。世界中で数千人、もしくは数百人しかいないとも言われる一部の顧客ためのはずのオートクチュールにデモクラシーが起こっている! というワケ。でも、実はこれ、イヴ・サンローランらが50年以上前にすでに先駆者としてやっていたこと。

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へエディターズPICK一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト