「サンローラン」が一石投じた“オートクチュール・デモクラシー”
2015/10/16(金)
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12 月4 日(金)から全国順次ロードショーとなる映画『サンローラン』。愛人ジャックとの出会いとデザイン画を一枚も書けなくなるまで苦悩した日々を中心に描く。

Photo : Aflo

かつてプレタ・ポルテが担った役割をWEBが代行

オートクチュールを民主化させる動きはイヴ・サンローランやパコ・ラバンヌ、ニナ・リッチらがかつて60年代に実行していたもの。それが、今でこそ主流になった“プレタポルテ(高級既製服)”。

1950年代末~60年代にかけ、顧客の減少が止まらなかったオートクチュールの世界を、より多くの人に共有してもらうひとつの手段としてクリエイトしたのがイヴ・サンローランらのプレタポルテだった。手間もお金もかかるオーダーメイドの高級服を核としてもっていたメゾンも、世の中の民主化が勢いを増す一方、顧客の減少を止められずにいた。そんな時代に、より多くの人に手にしてもらいやすい形でブランドの精神を知ってもらうため、既製品の状態でリーズナブルに販売したプレタポルテが勢いを増していった。ギャスパー・ウリエルが主演し、もうすぐ日本でも公開となる映画『サンローラン』でも、それまでオートクチュールでつくり出してきたメゾンの核があるからこそ、プレタポルテやブランドネームを単なる商業製品化しようとするビジネスマンたちに敢然と反抗する場面が描かれている。

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