トップメゾン「シャネル」とスポーツの歴史秘話
空前のスポーティブームの陰に『シャネル』あり。そういっても過言ではないほど、スポーツテイストを革新的なデザインに落とし込み、繰り返し起用してきたフランスのトップクチュールメゾン「シャネル」。それは、自身がスポーツウーマンであったココ・シャネルの精神そのものが息づいているから……。そんな興味深い事実と、歴史的に貴重なアーカイブ写真、そしてスポーツを通して女性の解放に貢献してきた「シャネル」の先見性を今、ここに公開。これを読めば、確実に知的なトレンドセッターになれること間違いなし!
スポーツモードは美と実用性の融合
モードなスポーツスタイルが、なぜこれほどまでに愛されるのかといえば、それは「美しいのに着やすく快適」だから。美しさを求めれば着心地は無視され、快適さを追いかければ造形美は無視される。そんなジレンマを解決し、“ファッションコード”にしてしまったマドモアゼルの“美しき実用性”の精神を、カール・ラガーフェルドは正確に受け継ぎこう述べている。「今日、スポーツはファッションやストリート文化のインスピレーション源となっている。では、反対にファッションは何をスポーツに与えることができるだろうか? それはよい仕立てとカッティングの服ではないだろうか」―――。
そして今は、スポーツウェアからインスパイアされてきたファッションが、逆にスポーツ界に貢献する時代。ロンドン五輪の金メダリスト、アリソン・フェリックスが「ファッションがスポーツ界を手助けしているとしたらどんなこと?」と問われた際に、こんな風に答えている。「ファッショナブルなスポーツウェアは、スポーツがクールだと思わせてくれるわ。そうすることで若い人たちがよりスポーツにアクセスしてくれるのよ」。
(c)CHANEL