タッシュ : キャサリン妃ファッションを陰で操るスゴ腕節約スタイリスト
2016/11/28(月)
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最近のお気に入り「プリーン」のドレスは約17万円。

Photo : Getty Images

火の車の家計でウィリアム王子もプロデュース

先に述べたようにキャサリン妃の年間衣装代は460万円と考えられているが、月で割れば43万円。公務があふれるようにあり、ときには1日のうちに何度も着替えねばならない王族としては、決して十分とは言えない。そもそも、ケンブリッジ公爵家の経済事情はどうなっているのか。
 
収入 : 4750万円(故ダイアナ妃が遺した信託基金の総額164億円のうち30歳を過ぎたら運用資金として年間支給される額)+ウィリアム王子の給与654万円=年間約5300万円
支出 : ケンジントン宮殿の運用費 4.8億円

 
英国王室は貴族のひとつなので私有財産をもとに労働者を養い運用している。警備、人件費、旅行費、衣装費などすべてを自分たちの資産で捻出する前提なので、ケンブリッジ公爵の一家が自由にできるわけではないというところがミソ。年4750万円の信託基金と、救急ヘリのパイロットとして非常勤に当たっているウィリアム王子の年俸、約654万円(税含む)で賄わなければならない。この大幅な赤字経営を補うべく、王子夫妻の人件費や年間衣装代、ヘアメイク代のほとんどを、父であるチャールズ皇太子に支払ってもらっている。ほかに、莫大な費用がかさむ宮廷の改装費などは、世界髄一の富豪のひとりであるエリザベス女王が直々に負担している。もちろんそこで使われる費用のうちには税金も含まれている。つまり祖母と父が経営する親会社に赤字を補てんしてもらっている子会社のようなもの。

カナダのイケメン、トルドー首相と精悍になったウィリアム王子に挟まれたキャサリン妃が着ているのは「アレキサンダー マックイーン」で英国価格50万円強。「ミュウミュウ」の約9万円のクラッチバックを手に、同色の「ラッセル&ロムリー」の約2万円のパンプスを合わせて。

Photo : Getty Images

ということで庶民たちの目だけでなく、義父や義祖母の目まで光っているうちは、皇太子妃にでもならないかぎり贅沢のしようがないキャサリン妃。そこで彼女のいちばんの戦略の要、これすなわちパブリシティのうち大半を占める「ベストドレッサー」たる部分を電卓を叩きながら請け負っているのがナターシャ・アーチャーなのだ。 
 
彼女の手腕はとくに公式外国訪問の場で高く評価されている。直近の公式外交訪問であるカナダ訪問に際しては、キャサリン妃のみならずウィリアム王子の変身も担当。「世界でいちばんのイケメン首長」と評判なトルドー首相に見劣りしてはならないとばかりに、公式訪問前にダイエットをさせ、長年愛用してきた「アシックス」のスニーカーとも決別。愛用中の「J・クルー」のチノもレギュラーフィットからスリムフィットへと変更させた。
 
カナダ訪問でのキャサリン妃のルック数は14。総額は62,000ポンド、約812万円。平均1ルック58万円なり。実はこれでも、キャサリン妃史上もっとも高額な外国公式訪問ルック総額なのだ。

Text : Ryoko Tsukada

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