【事件簿8】
ランウェイは続くよどこまでも
ヒップホップのドキュメンタリー映画『Evolution of Hip Hop』にインスピレーションを得て作られたという、2017秋冬「マーク ジェイコブス」のコレクション。ヒップホップカルチャーの創世記を感じさせるブリンブリンなジュエリーやトラックスーツが、マークの手で再解釈された。
会場は“マーク”のショーでおなじみのPark Avenue Armory。レッドカーペット風のセットだったり巨大なピンクの家だったり、毎回大掛かりなセットも話題のショーながら、今回はだだっ広い会場の真ん中にランウェイが1本だけ、という簡素とも言える作り。しかも、BGM無し(無音)でショーが始まったからさあびっくり! でもショーを見る人の囁き声や、ショーの終わりを待つドライバーたちが鳴らすクラクションの音といった街の喧騒に、何よりもNYを感じてうっかり感動させられるから二度びっくり。
一本の長~いランウェイは外まで続き、歩き終わったモデルたちは会場外に着席。「マーク ジェイコブス」のアイフォンケースを持って、各々自由にスマホで撮影する(される)、というのもいまどきで面白い。ちなみにコレクションのフォトグラファーは会場に入れず、会場内にいるゲストもショーの間は撮影禁止。会場外に出てきたモデルを撮影していたそう。難しい環境で、よくぞ撮ってくれた!
モデルの大半がかぶっていた大きめのハットは、ヒップホップデュオ「アウトキャスト」のアンドレ3000にオマージュを捧げたデザイン。またブリンブリンのネックレスは、現代アーティストのウルス・フィッシャーとコラボレーションしたデザインで、マーク本人もラストで着用していたお気に入りの逸品。