「プランタン」のADに聞く! パリと女性に欠かせない“エレガンス”とは
パリの老舗デパート、プランタンが今年で祝150周年! 創業時から大事にしてきたのは、パリの女性のファッションと切っても切れない関係だという“エレガンス”。長年ウィンドウや広告、カタログなどすべてのクリエイティブを担当しているアートディレクター、フランク・バンシェ氏に、そのエレガンスの真髄を聞いた。これを読めば、明日からまた少しパリジェンヌに近づけるかも!? 貴重な広告ビジュアルで見る女性のファッション遍歴も必見。
ひらめきをくれる街、パリ
最後に、フランク自身についてもう少しだけASK。
Q:あなたのアートワークのインスピレーション源は?
F:雑誌、本、写真集、ネット、クリエーターの作品、エクスポジション、あらゆるものを僕だけでなくスタッフ一同の感性で常に捉えています。ですが、こうしたインフォメーションとは別に、旅をしたり、パリでもふとひとりで時間を過ごす時間がとても大切。ひらめきが訪れることがあるからね。
Q:やはりパリは、クリエイターにとってひらめきを与えてくれる存在?
F:僕は普段からパリの街をよく歩きます。18区のバルベス界隈に住んでいて、会社まで毎朝、毎夕、歩いて通勤する間に目にするもの、風景、人々の会話、服装、ありとあらゆるものにインスパイアされているのかも。特にバルベス界隈は移民も多く、本当にここはパリ?と見間違えるほど、マルシェや雑踏、人々のファッションもエネルギッシュでさまざま! そんなインターナショナルなエネルギーに溢れるミックスカルチャーも、紛れもないパリなんだ。
Q:そんななかから、あなたのお気に入りの場所は?
F:夕刻のテュイルリー公園。刻々と変わる光がすばらしいんだ! 光のきれいな夕方には、公園からセーヌに架かるいくつかの橋を廻り、セーヌ川の風景と光を楽しんでみては? これが、まさしくパリの光のマジックとみとれる瞬間に会えるかもしれない。あと、「パレ・ド・トーキョー」へもよく脚を運びます。展覧会を見なくても、レストランで食事をするのも気持ちのいい空間なので気に入っています。
Q:ご自宅の部屋のなかで、一番のお気に入りは?
F:写真のコレクションです。祖父がカメラマンだったこともあり、新旧たくさんの写真を集めています。それがいちばん大切なものかな。
Q:愛用するクリエイティブなアプリがあったら教えて!
F:やっぱりインスタグラム! さきほどのインスピレーション源に付け加え忘れましたが、今は何よりこれが世界中のクリエイティブソースかも。ヴィジュアルの記憶は鮮明で、たとえ言葉や説明がなくてもダイレクトに訴えかけてくる。近頃は新刊雑誌を見ても、「これはもう知ってる」と思うくらいだよ。クリエイターやまだ無名の若いアーティストを発掘するときにも使っているよ。僕のインスタグラム「@fbanchet」も、よかったら見てね。プランタンでの僕のアートディレクションを見ていただけるなら、「@printempsofficial」もぜひ!
photo:©Printemps interview & text: Chiyo Sagae
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PROFILE
Frank Banchet(フランク・バンシェ) /
プランタンのクリエイティブ・ディレクター。ボン・マルシェのプロジェクトマネージャーとしてウィンドウディスプレイやメンズファッションのマーチャンダイズ経験を経て、1995年にプランタンに入社。ウィンドウディスプレイをはじめ全ビジュアルを指揮。2008年より現職。PRINTEMPS HAUSSMANN
64, BD HAUSSMANN
75009 PARIS – FRANCE
tel. +33 (0) 1 42 82 44 39 -
エキシビション「パリのエレガンス」
プランタン創業150周年を祝して、2015年10月9日(金)~20日(火)の期間、パレ・ロワイヤル広場にて、創業理念のひとつであるテーマ「すべてのエレガントな女性はプランタンのお客様」にちなんだ展示「パリのアーカイブ150年」を開催。ファッション会の変遷、大きな社会改革、女性の自由、各時代の著名な写真家とのコラボレーションなどを通して、1865年から今日に至るまでのエレガンスの変化を振り返る。
会期/2015年10月9日(金)~10月20日(火)
会場/パレ・ロワイヤル広場